第41話 何故気がつかなかったんだろう......
酒場の店主や女給……奴隷商人まで復讐する必要は無い。
普通の人間ならそう考えるだろう……
だが、僕の考えは違う。
僕の考えでは、こう言う人間が一番のクズで救い難い人間だと思うんだ。
塔子や綾子を見ていれば良く解る。
さんざん、塔子や綾子の下でそれなりに美味しい思いをしていたのに……力を失った途端、手のひらを反す。
今回は僕は面と向かった相手を倒したわけじゃない。
だが、もし僕が面と向かって倒したのなら……きっとクラスの奴らは『今迄すまなかった……大河や塔子が怖くて逆らえなかったんだ』とか言って僕にすり寄ってくるだろう。
そして、虐めの主犯じゃないから、その後も普通に生活をする。
僕はこう言う人間が一番嫌いだ。
虐めが無くならないのは、こう言う人間が居るからだ。
『此奴には何をしても誰も文句は言わない』そういう状況をつくり、虎の威をかる狐になる。
だから、容赦なく復讐した。
リリアを傷つけ迫害する状況を作ったのはドルマン女男爵母娘かも知れない。
だが、それを利用して、真面な給金を払わなかったり、意地悪をするのはそいつ等と同じだ。
これは僕の経験からだ。
自分の事で言うなら、始まりは塔子たちからかもしれないが、それに加わったのだから同罪。
幾ら、相手が権力者で怖くて従っていたのだとしても被害者側からすれば、同じ加害者に過ぎない。
虐めを経験して、死を選んだ僕からすれば『虐める側に回った敵』としか思わない。
今回の場合も同じだ。
リリアはこんな事、望んじゃいないだろうが、僕の考えだと『加害者側にまわっている』それを選んだ時点で恨まれても仕方ないだろう。
少なくとも何もしない。
そう言う選択は選べたはずだからな。
だから、僕はやりすぎだとは思わない。
だが、流石にこれ以上復讐の輪を広げるのは流石にな……
そう考えると殺したい奴はあと三人。
高利貸しのザブランは何時でも殺せる。
問題はドルマン女男爵とその娘マドレーヌだ。
何か使えそうなスキルは無いものだろうか?
今の僕のレベルは……
聖夜
LV 17
HP 250
MP 195
ジョブ:ジャームズマン(ばい菌男)
スキル:翻訳、アイテム収納(収納品あり)空気人間 お葬式ごっこ ばい菌 亀人間 下級人間 腐る目 物隠し 風評 要求と罰
レベルが上がっているのは酒場の店主リッチモンドと奴隷商が死んだからかも知れない。
未だに下級人間 物隠し 風評 要求と罰のスキルの意味が解らない。
うん!?
僕はなんでこんな事に気がつかなかったんだ。
相手が貴族だからと特別に考えていたが……殺すのは簡単じゃ無いか?
『空気人間』を使って堂々と正面から入り『ばい菌』か『腐る目』を使えば良いだけじゃないか?
なんで、こんな簡単な事を思いつかなかったんだろう。
「「聖夜」」
「聖夜様、どうかしたのですか?」
「いや、考え事をしていただけだ」
明日にでも実行して見るか……
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