2-12 三人のホスト


 

 肩を組んで離さないキョウヤの後ろから、続けて二人のホストがやって来る。

 キョウヤ、マコト、リュウジの3人はケンヂの勤めるホストクラブの先輩ホストである。彼らはケンヂを取り囲む。がっちり肩を組み、腕も組んで、ケンヂを逃げられないように固めて離さない。これで今日のナンパは中止になった。



 –––ケンヂぃ。ナンパかよ。いい身分だな。


 –––お前よ、マジで死んだって聞いたぜ。店に警察も来たしよ。


 –––なんだよ、仕事サボりたかっただけかー?


 –––はーい、連行。


 –––ケンヂくん、連行しまーす。


 –––ほーん、なに言ってんの?


 –––あ? 何が危険なんだよ。


 –––逃げんなよ。お前、これから説教な。


 –––お、今度はなんだよ。急に。えっ、店に行くのか?


 –––お前、言ってることと、やってる事があべこべだぞ。じゃあ、店行くべ。


 –––え、俺らの顔に目をつけたって、タツヤって誰よ?


 –––逃げろって、お前、いつから、そんな笑える顔芸できるようになったの?


 –––マジ、お前、なんなん。騒ぐなって。


 –––あ、キョウヤ。もしかしてコイツ。タツヤとか言う奴と揉めているんじゃないか。


 –––だから、ばっくれて消えてたのか。


 –––いいぜ、俺らがソイツやってやるからよ。とにかく店に来いよ。


 –––おいおい、お前はだから、言ってる事と行動がチグハグだぞ。


 –––薬か? 違うよな。


 –––マジでコイツ、心配になってきた。早く連れてこーぜ。




            ⚪︎




 (首チョンパー!)×3



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