学級魔女裁判 

冬みかん

割れた鏡に映るは紫陽花

「や、やばいよ。飛び降りちゃったじゃん、麻衣…どうすんの?」

「どうするも何も…最後に麻衣に死ねって言ったのはお前じゃん」

「は、はぁ?私のせいにする気?アンタだって共犯だったじゃん」


雨が降りしきる中、複数の生徒が集まって騒いでいる。

どうやら女子高校生が教室から飛び降りたらしい。


拝啓皆さんへ____

私は雨降りしきる6月、飛び降りて死ぬことを決めました。

もう、耐えられません。親に隠すのも疲れました。

では、さようなら。

ごめんなさい。

                        敬具


6月某日。日本国内の某高校にて女子高生が自殺した。

遺書もある。

いじめによるものと断定されて、高校には警察の捜索が入った。


もちろん、教育委員会も動いた。

教師も動いた。

生徒から事情聴取をした。

でも当然の如く話す者は居なかった。


むしろ…

生徒たちは疑心暗鬼で互いを疑う様になったのだ。


そう、これが最悪の学級魔女裁判の幕開けだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る