「詩」哀しい夕暮れ
一乗寺 遥
哀しい夕暮れ
冗談よと 手を振って さよならしたの
彼が だんだん小さくなって
青いシャツごと 空に消えた
わかっているのに わたしはとまどう
二人の距離が 変わっていった
届かない 追いつけない
きっと走っても
そう ぼんやりと思った
車の窓を開けると 波の音が優しい
ダッシュボードに 忘れたジッポ
両手で開けたら 彼の香りがして
タバコの煙が 私を包む
まるで 彼がそばにいるよう
揺らいでいるのは 夕陽なの
なぜかな 滲んで よく見えない
まだ だめよ 沈まないで
夜が来ると ひとりに なるから
ねえ わたしをひとりにしないで
「詩」哀しい夕暮れ 一乗寺 遥 @yoichijoji56
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