第29話 それぞれの想い…

 喫茶店でヒカリ成分を充填したアカリは店を出た後、真っ直ぐ家に帰宅した。

うがい手洗いを済ませ、母親には集中して勉強するから部屋に来ないようにお願いした。

アカリは自分の部屋に入るなり携帯を開き、先程

喫茶店で隠し撮りしたヒカリの写メを確認する。

「う〜ん、やっぱカッコイイ!」

青いカッターシャツを着た凛々しい横顔…。


ふと、今朝の自分の行動を思い出して赤面する。

ベットに横たわり写メの横顔を見ながらヒカリの逞しい腕の感触を思い出して両足をバタバタさせた。

思い出すだけでドキドキと高鳴る。

そっと胸に手を当ててみる…あっ…ブラの上からでも固く尖っているのが分かる。

こんな気持ちは初めてだった。

胸の高鳴りは治まりそうにない…ちょっとだけ手を動かしてみる。

感じたことのない心地よさが広がってしまう。

いやっ、ダメッ。

そう思っても止められない。

ついには両手で揉みしだくように…。

抑え切れない快感に内股を擦り合わせる。

何かが溢れ出すのを感じ、恐る恐る手で確かめて

しまった…。

ああ…、これ以上はイケない…わかってるのに

止められないよう…、ちょっとだけもうちょっと…

1人の部屋に水音とくぐもった声だけが響く…。


「ヒカリ君、ヒカリ君、ヒカ…あ、あ、あ…」

ガクンガクンと大きく身体を揺さぶるほどの快感の

波に飲まれる…。

自分の身体がおかしくなったのではないかと少し怖く思う程の体験だった。

乱れた呼吸を整え右手をテッシュで拭うと自己嫌悪に襲われる…。

しかし、心の片隅にはこれがヒカリ君とだったらという気持ちも無くはなかった。

やっぱりヒカリ君の恋人になりたい、その気持ちが

強くなるのを感じた。


そしてここにもヒカリに心揺れる女がひとり…。

15歳も年下の男の子なんてあり得ないと思っていたのに心がときめいたのは紛れもない事実だ。

もしかしたら欲求不満が原因かもしれないと思い

しっかりと達するまでセルフケアしてみたが、彼の逞しい身体を思い出すと胸のザワツキが治まらない

これから彼とどう向き合うべきか…

いや、そんなの隠し通すべきだよね。

でも…、私は処女でもあるまいし彼が良いなら

いっそセフレでも良いのでは…そんなワケないよね

案外1回やったらスッキリして…いや、きっとハマってしまうなあ。

久し振りの出来事に少し混乱する茜であった。


そしてまたここにも1人…。

シオリは日課となっているセルフケアを早目に済ませスッキリとした顔で受験勉強を始める。

もちろんケアのオカズはヒカリ君だ。

ああ、今日のヒカリ君、可愛かったなあ…ちょっと

スキンシップしただけでアソコをあんなに……。

いかんいかん、今は受験勉強の時間だ、しっかりしなきゃね。

それぞれの夜は更けていく…。

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