第21話 初めてのヒカリの部屋

 中間テストの最終日も無事に終えて早速マリーにロインする。

今日はこのあと、テスト勉強会をした皆で打ち上げをすることになっていた。

待ち合わせのファミレスに行くと僕以外は揃っていた。

昼食がまだだったので、そのままランチになる。「いや〜、勉強会っていうかヒカリサマサマだったよ今回のテストはさあ〜」

アズサの言葉に横にいるヒロキも頷いている。

「その調子だとなかなかの手応えだったのかな?」

「それはモチロン!ヒロキと今回は赤点は回避どころか自己ベストじゃないかって」

「「ねえ〜っ!」」

二人は向き合い声を合わせる。

「それは良かった…、マリーはどうだった?」

「私も良かったわよ、安心して…そういうヒカリはどうだったの?」

「テスト自体はなんの問題もなかったけど…」

「なかったけど…何か?」

「テスト期間中…マリーに会えなかったから…」

「……、も〜心配したじゃない。そんなの私もおんなじだからねっ!」

そう言ってマリーは僕の左腕に抱きついた。

「かあ〜っ、アツイアツイ。見ているこっちの方が恥ずかしいよ」

アズサに指摘されて真っ赤になる僕とマリーだった


楽しく食事をする中、マリーとアズサがコソコソと

話しをしていた。

会計を済ませこの後どうするかという話に

「ウチもマリーも久しぶりにラブラブしたいということで、今日はここで解散っ!」

アズサの宣言にマリーも赤い顔で頷いていた。

僕も内心はそう思っていたので嬉しかった。

マリーにこのあとどうするか相談すると僕の部屋を見てみたいと言われ照れながらも快諾した。


 自宅に到着し、玄関のドアを開けマリーを招き入れる。

専業主婦の母親がいるハズなので声を掛ける。

「ただいま〜」

「はいはい、お帰りなさい」

そう言いながらパタパタとこちらに向っていた母親はマリーを見つけ立ち止まり固まった。

「始めまして、ヒカリ君とお付き合いさせて頂いてますマリー・ローレンスです。宜しくお願いします」

マリーがぺこりと頭を下げるとようやく動きだした

母親が

「ようこそマリーさん、ヒカリの母の幸恵です。うちのコは何にも言ってくれなかったから…ゆっくりしていってね」

そう挨拶する母親の目尻には涙が光っていた。


「本当に殺風景な部屋だよ」

そう言いながら自分の部屋にマリーを招き入れる。

「わあ、男の子の部屋は初めて入る〜」

キョロキョロしていたマリーは壁にたった1枚飾ってある写真に目を止める。

そこにあったのは冬のノイシュヴァンシュタイン城の写真だった。

「わあ~、素敵なお城だね」

「ああ、ドイツのノイシュバンシュタイン城っていっさ、綺麗だろう?」

「うん、とっても…」

「眠れる森の美女の城のモデルにもなったお城で何時か行ってみたいなあと憧れているんだ」

「その時は一緒に行きたいなあ…なんてね」

「マリー…」

彼女を抱き寄せキスをした…。

コンコン…、部屋をノックする音にハッとした。

「飲み物とお菓子を持って来たのだけれど…」

「はあい、今開けるね…」

母親が退室したあとマリーは

「このあと、私の家に来ない?」

場所を移動することが決定した。

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