DV系パワハラの末

@takoyaki8

エッセイテーマ「自分の立ち行かない体験」

DV気質の社長からパワハラを受けて精神を病み、退職しました。

私の実体験を一言で表すとこうなります。

戦いきれず、逃げるしかありませんでした。完全に負けました。

頭脳明晰で口が達者なラスボスには一生かけても倒せません。到底かなう相手ではありません。彼は悪徳弁護士にもなれます。

そんな相手に対して憎しみの感情はありません。むしろ、頭の回転の早さと賢さに尊敬の気持ちすらあります。

ただ、この過酷な出来事を辛い経験として、そのまま心に残さず、自分の中の怒りとして消化するために、ここに文章を残します。

業務のことについて大声で叱責される。これはパワハラでしょうか。

厳密に言うと違います。

「お前の性格は暗い、こっちまで暗くなる。」といった個人に関することはパワハラであり、実際に私が言われた言葉です。

そんなパワハラ定義なんて知っていますが、渦中にいると、何がパワハラなのか判断がつかないほど、私の精神状態はおかしくなっていました。パワハラを証明するための録音や記録ができるほど心の余裕がないのです。

ある日は、昼休みに私用のスマホに電話かけてきて、「昼休みだろうが、会議中だろうが、俺の電話には必ずでろ」と言われた時は、目の前に、その人がいるようで、電話越しの声に怯えました。本当に手が震えました。

毎日のように「なんでこうなるの?なんで?理由を聞いているから教えて」と詰められると、何も考えられず、「ごめんなさい、すみません」しか言葉がでてきません。

このように「怒る、詰める」ことに関して、当人は威嚇発射だと言っていましたが、それが毎日続くと、真に受けずにかわすこともできなくなります。見事にくらい続けて、どんどん沈んでいきます。

そして、何より恐ろしいのが、たまに優しくなる瞬間があることです。たまに褒めてくれます。そうなると、「この人は、本当は優しい人なんだ。自分の成長のために言ってくれていることなんだ。」と錯覚します。完全に感情を操られている、まさにDVのようです。

崖から突き落として地下何十階に沈められるような感覚が、時折の優しい言葉で地上へ救い上げてくれます。そして、またすぐに地下へ突き落とします。

そんな状態が続くと、精神がぶっ壊れて毎日眠れなりました。たまに寝られたと思った日は、夢の中でも仕事をしていました。現実の延長線上で頭がフル回転していて、眠りが浅くなりました。睡眠ができていないと身体も回復できず、頭も働かず、何が良いか悪いかの判断もつきません。

そして、何が嬉しくて何が悲しいのか、感情がなくなるのです。

今が辛いけど、その辛いという感情が分からず、涙もでません。「人間の心がなくなるのって、こんなに簡単なのか。今なら人も殺せそうかも。」と思うほどでした。ロボットかサイコパスか、もうどうでもいいのです。

他の誰かが助けてくれるわけでもないから、

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