第020話「闇」「狼」「拳」

第20話 復活の闇狼拳【アンロウケン】


魔法の理力を伴わない、シャドウ・ウルフ?

【甘言のような響きに思わず生唾ごっくん!】


鋭利な爪は凶器とみなされるが、指先で噛み付くことは許容範囲だ

【身体の一部でさえも「傷令」範囲の法治国家】


そう言うの、正直待ってたんだよねえ。

魂魄刀剣戟も案外面白いけど、

ぼくは自慢の闇狼拳を完全封印するつもりは無かったから。

【瀬海池澄が聞いたらがっかりするんじゃないのか?】


器用なことを提言するなら

魂魄を闇狼拳で握り潰すことも可能だ。

【魂魄への攻撃は、生命への攻撃に能わず】


インポッシブルのポッシブルってことなんだね。

バディの池澄くんにも一応相談してみよう。

【一応とか遠慮せずに、がっつり相談しなさい!】


魂魄への直接攻撃は、他に例の無い妙技だ。

完全習得を奨励しよう。


お主が冥界を彷徨っていたから、暇潰しに声を掛けてみた。

我の期待に添う人物で満足しておるぞ。

群を抜いて高い身体能力、天井知らずの卓越した智略。

我の配下に是非とも欲しい逸材だ。

トワよ、相棒戦(ユニバース・バディ・バトル)が終わったら

相棒と共に此方に移り住まぬか?

【優勝してもしなくても、二人は冥界に永住?】

【そんな余生も悪く無いが……】

【彼等が何位であろうが、永遠は野火井園と一戦交えたい】


なあ、とこしえの智略家トワよ。

魂魄剣戟が終わったら、言霊鈍邪螺で一戦交えぬか?

主の奇抜な『石』集めには大いなる『意思』を感じる。

『一糸』乱れぬ闘牌で、我の『いしづえ』を砕いてみせよ!

【ここぞとばかりに言葉遊びに終始するハーデス】

【この会話は冥王ハーデスと永久永遠によるもの】


王たる者が、全く石頭だねえ。

「剣戟」もいいけど「拳戟」指南も宜しく頼むよ。

ぼくの真骨頂は一匹狼の闇狼拳なんだ。

魔法理力を伴わないシャドウ・ウルフで敵を討つ!

【あくまでも闇狼拳にこだわる永久永遠】

【この頑固思想が、思わぬ未来へと彼等を導くことに】

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