第015話 線状降水帯

第15話 星の記憶の話


昭和52年の冬を生涯忘れない。

或る日本人女性が、小指をさすりながら語った。


寒くて寒くて凍傷に遭い、

泣きながら幼稚園まで通った記憶。

かじかむ指先が痛くて痛くて

10年も生きない内から、自殺願望すら芽生えたと言う。

それほどまでの殺人的な寒さ。

地域差や、個人差があるから

昭和52年が氷河期のような厳冬かどうかは

過去の記憶を洗ってみないと判明しないが

地球の限界と謳われる令和4年の9月30日と

どちらが状況的に深刻なのだろう?


線状降水帯だっけ? 初見のような自然現象だが、

予測変換では一発で出た。

今年初のキーワードでは無さそうだ。


先日の豪雨で野火の自宅のガレージに浸水して

元々古かった戸棚が腐敗して

廃棄処理を余儀無くされた。

比較的、天候に恵まれた地域と言う認識だったが

実害を被ると印象はガラリ! と、変わる。


日々の暑い寒いの基準は、

地球の表面と太陽の軌道に関係すると冷静に分析する。

只、雨の降り易さは雲に関係があるだろうし

自然災害の全てを、太陽の軌道に置き換えるのは横暴だ。

地球温暖化と言う標語を全面否定した

大国の大統領も居たが

合っているような、間違っているような

それでも酷暑は度々訪れる。

自然の記憶、地球の記憶……

それを便宜上、星の記憶と言い換えると

この惑星の未来は、あと何年安泰なのだろう?


いけない、と思いつつ、結構レジ袋を

小銭を出して買ってしまう日常。

有料になっても、エコバックの習慣が着かない人は

惑星に優しく無いと定義出来るか?


星の記憶と言い換えたいが、サークル名は

アースサークルだ。母体は地球。

リーダーはマリン。厳密に言えば、海の記憶。

そんな彼女がバディに選んだのは雨の記憶のレインだ。

漆黒の闇を仰いで天気予報。どうやら今日は晴れ模様。

寝ずの番に疲れた身体、仮眠を取ってもう一仕事。


アースサークル バディ選出

・マリン ・レイン

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