第3話 聖女マリアの辺境への道
壁の外では聖女様と同行したいと言う人たちが300人を
超えていた。これは予想外だった。辺境国では今まさに開拓
事業に取り掛かろうという時で、移民が増えるのは嬉しい事
なのだが開拓地の住宅が不足している。一気に来られても受け入れ準備が整っていないのだった。
そこで聖女マリアは提案をした。辺境国に支援してくれた国には、聖女の加護を何年か与えましょうと。幸いこれまで暮らしていた国は、周辺国5国と辺境国2国を合わせた位の
面積だったから魔力は充分賄える。
5ヵ国全てが協力を申し出てくれた。辺境国側の準備が出来るまで。各国で避難民を預かってくれるという。
又ある国は金銭的支援を約束してくれた。
ということで聖女マリアと避難民一行は周辺国を回って加護を与えながら旅することになった。
いっそのこと7ヵ国同盟を結んで何かに、助け合っていこうとの提案もされて各国それぞれが考えておくことになったのだった。確実に今まで聖女の恩恵を受けられなかった国々の
結束は固まったようだ。
聖女の加護は効果てきめんだった。
日照りで荒れ果てていたた田畑には充分な水分が補給され,わずかに残っていた根から新しい芽が伸びて青々と育ち、花を咲かせて実をつけた。その後土を耕してその土に聖女の
魔力を注ぐと、ふかふかな土壌に生まれ変わって、新しい種を撒くとすくすくと成長していった。
魔物に悩んでいた国は、聖女の結界で人間の活動区域には侵入することは無くなった。結界は国全体の上空も守っていて、
ワイバーンも入れずにいた。聖女の言うには例え最強の
ドラゴンでも破壊出来ないはずだということだった。
昨日まで張っていたアガタ王国に、ドラゴンが侵入していないことで証明出来るだろう。
治癒魔法については聖女マリアが1人だけで行う事は難しいので、これからは治癒ポーションを作って配布する事にしますと宣言した。
その際アガタ王国の大神官のように法外な値段設定にして私腹を肥やすことの無いように、2重3重の監視機関を設けて各国全体で同じくらいの価格になる様にして欲しいと言う。
もし不正が発覚したらポーション供給を見直すことになるだろうと聖女は強調した。
アガタ王国の大神官は大分好き勝手なことをして私腹を肥やしていたようだった。
色々反省して改革を進めようと思う聖女マリアだった。
最初に反省したのはいつの間にか魔人族に潜入されて国民になりすまされていたことだった
幾ら先々代の頃から魔人族とのトラブルが無かったとはいえ、油断し過ぎていた。
ということで今張っている結界には魔人族及びその国に害を及ぼす恐れの有る者の侵入阻止効果が付与されている。
昨日の処刑阻止の時覚醒したので今までにないスキルもゲットしていた。ポーション作成スキルもその1つだ。
そして特筆すべきは攻撃魔法も使えるようになっていたしパーテイー仲間へ身体強化魔法も付与できるのだ。
今のところ、マリアが近寄ると魔物が勝手に逃げ去ってしまうから、実用試験は行えていない。
【魔力隠蔽】も取れているのでレベルを上げて完全隠蔽出来る様にしたいところだ。
続く
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