第13話 鬼人族アマツに捕まる

屋台で割高の串焼きを食べながら

考え事をしていると、


私を呼ぶものが居る

知らないやつだから無視しようとしたら

首を掴まれ持ち上げられる


「オイ!忘れたか?コロスゾ」

「オッサン串焼きを30本」


上半身裸で腰巻きをしている

筋肉質の変態オヤジ


「???」


思い出そうとしていたら

ガチャ

契約の首輪が外されていた!

「?!」


「ま、ま、さかオーガ?!」

こんな街中であり得ない!


耳元で呟く

「黙れ小僧!死にたいか?」

「あんなものと一緒にするな

我は鬼人族もっと高位の存在だ」


「ここは中立都市

他の亜人の人形も擬態して普通にいるわ」


「わざわざ外しに来てやったのに礼もなしか」

「身銭が無くて困っていた、」


「宿もないのでお前のところに泊めろ!」

逆らったら殺される!


「お金は用意するんで見逃して

もらえませんか?」


手持ちの金貨30枚全て財布ごと差し出す

300万ぐらいの価値だ、


アマツはつまらなそうに金貨を眺めていたが

まぁ良いか、とそれを握りしめて立ち去る


あれが人形形態のアマツだったのか!

自然に街中を歩けるとは盲点だった!

正体バラしたら殺されるだらう!



あのアマツとやらはこの中立都市が

気に入っているのか?

人を殺して楽しむだけのオーガではないのか?


考えを改める事になる


***


アマツはそのなりで貴人が来るような

洒落た酒場に来る!


美しき着物の女性から

「いやねぇ鬼臭くてかなわんのが来る」


「獣臭いやつに言われたくはない」


アマツは首を掴んで即座に握りつぶす!


「これだから鬼は・・・

何事もなかったかのように

別の場所にその女が現れる」


「それぐらいにしてください!」

「鬼の旦那に狐の姉御」

人形を取っているワーウルフが止めにかかる


此処は亜人達が経営する酒場


近隣の多種族との会合場所!


今後の方針は・・・

自分らの地域に踏み込んでこなければ

多種族や人間は多めに見てやる


皆だいたいそんな意見、


ワーウルフ

「この交易に便利な中立の街が戦火に

巻き込まれて壊滅する噂は?」


アマツ

「知らんし知ったことではない!

元々自立して生きていける

その時は別の場所を探すだけだ、」


妖狐

「おばかさんねぇ、中立でこんな便利な都市が

他にあるわけがない、他は帝国か王国領」

離れたところに行けば共和国があるが

離れすぎておる」


「まあ惜しいが介入すると面倒な事になるから

様子見だろうさね」


アマツ

「娼館なんぞ建てて金で楽に生きて

人間に依存するから悪い」

「哀れなものよな都会の狐は」



「人口も増えず先細る鬼人族に

言われたくはない!」



「まあまあ」と苦労人のワーウルフが

必至にとりもって強引に引き離して閉会になる


ワーウルフと鬼人族は街を出て

本来の姿に戻り、別れの挨拶をし

自分らの棲家に帰る事になる!

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