横浜のおばあさん

梅春

第1話

 憧れて出てきた横浜だったが、落ち着いてみると博多に似ていると蒼は気づいた。


 海が近く、大きな川が賑やかな街の中を貫いている。


 坂が多く、土地の起伏が激しいのも門司や小倉のようだ。


 結局、人が焦がれるのはこういった土地なのだろうと思う。


 蒼は地元の博多から東京の大学に進み、東京で四年間を過ごした。


 行けばいつでも行けると思っていた横浜には学生時代には殆ど足を踏み入れなかった。


 しかし、東京を離れて地元に戻ると、急にテレビに映る横浜に目を奪われるようになったのだから、不思議なものだ。


 東京には戻りたいとは思わないが、横浜には数年住んでみたいと激しく思うようになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る