第14話 魔王の試練と明日の予定
「ほらほら〜っ、どうしたのーっ?」
「ちょ、ちょっと脱ぎにくくて。あはは。」
と、誤魔化してはいるが、服は既に脱ぎ終わっている。終わってはいるのだがっ!!
むむむ、、あっ、そうだ!いい方法を思い付いたぞ!!
俺は母さんの裸をイメージする。
この部分だけを見ると、ただの思春期男子まっしぐらに感じるだろう。
しかし、何の工夫もなく想像したのではない!
母さんにモザイク処理を施すのだ!!
俺は自分に向かって魔力を解き放つ。
[18禁☆モザイ、、
ガラガラッ
「なんだ、もう脱いでるじゃないのーっ♪」
「ぐはっ!!」
なんと!俺があまりに遅い為、浴室から母さんが出てきてしまったではないかっ!!
だ、だが!詠唱途中で中途半端になってしまったが一応発動はしてくれた。
おかげで、胸と下の大事な部分はモザイク処理されたよ。
まぁ思春期真っ只中の俺には、これでも充分刺激が強いんだけどな。ハァハァ、、
しかし、幸い?なことに、元気になるはずのモノが無いので、平静さえ装えば、興奮しているのはバレないだろう。
そう、、これは魔王としての試練なのだ!!
いついかなる時でも、冷静さを保つ事が大事なのだっ!!
「それじゃあ、頭洗うわよ〜!」
「えっ、いやっ自分で洗えるよ!?」
「ふふっ良いから良いからーっ♪」
ザパァンッとお湯をかけられ、背後から頭を洗われる俺。もうね、されるがまま、流れに身を任せるとしよう。
「わぁっ♪ワカバちゃんの髪、すっごく綺麗だわ〜っ♡細くて柔らかくって触り心地抜群よーっ♡」
「よ、喜んでもらえて良かった。じゃあ流して終わりね。」
「ええ〜っ?」と残念がる母さんであったが、俺が手桶で湯をかぶると、渋々ながら諦めてくれた。
「さっ、次は体よーっ♡」
「い、いやいやいや!体は自分で洗うよーっ!」
「ふふっ良いから良いから〜っ♪」
俺の抵抗も虚しく、体まで洗われる事になってしまった。
とは言っても派手に抵抗したら、母さん爆破事件になってしまう為、言葉で抵抗しただけなのだが。
まずは背中をゴシゴシされる。
腕を真横に伸ばして、腕と体の側面をゴシゴシ。
後ろから抱きつかれるような格好で、体の前側をゴシゴシゴシゴシ。
立たされて、腰からかかとまでゴシゴシ、ゴシゴシ。
クルッと回れ右してつま先から下腹部まで、ゴシゴシ。
ちょっと足を開いて優しくゴシゴシ。
バシャバシャーッと泡を流せば、綺麗さっぱり!!
洗車機の車になった気分!はぁ〜ええ気持ち〜っ♡
そして湯に浸かり、目を閉じて暖まる。
ようやくまったり出来るな。と思ったのも束の間!母さんが横に来て、親娘スキンシップを始めたのだ。
「ふふっ、肌もスッベスベのツヤッツヤねーっ♡」
やたらとプニプニしてくるので、仕返しに触ってやったぜ!!
プヨンッ
「うふふっ♡まだワカバちゃんくらいの歳だと、ママのオッパイが恋しい年頃なのよね〜っ♡好きなだけ触って良いからねっ♡」
「えっ!?あ、いやっ間違えっ!」
お腹を触ってやろうとしたのだが、うっかり胸を鷲掴みにしてしまったのだ!
しかも腕を掴まれ、押し当てられとる。
これは柔らか、、っじゃなくて!いかんぞ!いくら今は女の子だからって、中身は健全な男子なんだ!!
しかし〜、、この離したくない気持ちに抗うことが出来ん〜っ。
火照った顔を背けても尚揉み続ける俺。
だが、流石にこれ以上はダメだ!と思ったその時!!
ブフッポタポタポタ、、
「あ、あらあら〜っ!のぼせちゃったみたいね!?すぐ上がりましょ!」
「は、はい〜、、。」ポタポタポタ、、
そう。血圧の上昇に伴い、鼻血ブーしてしまったのである。
脱衣所にあった長椅子に寝かされ、両鼻の穴にティッシュを詰め込まれる。
「ごめんね。子供はのぼせやすいみたい。気をつけなきゃねぇ。」
「い、いや、俺も注意が足りなかったから。」
、、という事にしておこう。興奮しすぎ&オッパイに夢中すぎで、自分の状態なんか頭に無かったとは死んでも言えないな、うん。
「もう少し横になってなさい。鼻血が止まるまではダメよ?」
「分かったよ。」
母さんは着替えて脱衣所から出ていった。
さて!とりあえずこの出血を何とかしてしまおう。
と、自分の顔に手を当てて、ヒールを使った。
、、よし。鼻血タイム終了〜。本当に魔法って便利だなぁ。
これでチタマ世界に車とかテレビとかの科学が発展したら、もう無敵だろうな。
さておき、俺も着替えなきゃな。
アイテムBOXから100cm女の子用洋服セット[春]を1つ取り出した。
ふむ。今思うと、どれもこれも外出用の服なんだよな。
このブラウスとフリル付きスカートも明らかに外向けのやつだし。
俺はマネキンを脱がせつつ、そう呟いた。
しかし、その瞬間。俺に何らかの魔力干渉があったのを感じた。
それは害意のないもので、尚且つ、アイテムBOXへの干渉だと直感的に理解した。
アイテムBOXは自分の神経回路に直結しているから分かったのだと納得する。
では一体何の干渉を受けたのか。
確認の為、俺はアイテムBOXを開いてみる。
[アイテムBOXっ!]
ダーインスレイヴ×1
100cm女の子用洋服セット[春]×99
100cm女の子用洋服セット[夏]×100
100cm女の子用洋服セット[秋]×100
100cm女の子用洋服セット[冬]×100
100cm女の子用パジャマセット[春・秋]×200
100cm女の子用パジャマセット[夏]×100
100cm女の子用パジャマセット[冬]×100
ワカバ社製自動販売機
銅貨×♾
銀貨×♾
金貨×♾
'.#"!,'/.7[()_,×896
*5.^」',".#/×1
どうやらあの女が、パジャマセットを送ってきたようだな。
下の2つが文字化けしているが、896個というのは多分ドームで回収した封筒の事だろう。
という事は、最後の1つもおそらく、、。
俺は最後の1つをアイテムBOXから出してみた。
ヒラヒラヒラ〜、、
「やっぱりな。今度は何だってんだよ。」
封を開けて、手紙を読んでみる。
♡魔王ワカバちゃんへ♡
まずは謝らせて下さい。
パジャマセットを入れるの、すっかり忘れてました!ごめんなさい。
急いで送ったので使って下さい。
それとお詫びとして、勇者送致の件、送致場所をワカバちゃんに決めさせてあげる事にしましょう。
受付時間は3日後の現時刻までとします。
受付終了時間までに、場所の指定をお願いしますね!
それでは、健闘をお祈りしてます。
「マジか。ならお言葉に甘えさせてもらうとしよう。、、送致場所はここ!エチゴ屋にしてくれ!!」
返事はないが、どうせ見てるだろ。
っつーか、全っ然不干渉じゃないよな?干渉しまくりだよな!?大丈夫なのか?
まぁ俺が心配する事ではないか。
そんな事より、まずは着替えちゃわないとだった。いつまでも全裸じゃ、本当に風邪ひいちゃうからな。
先程出した春服セットとマネキンをアイテムBOXに仕舞い、春・秋パジャマセットを1つ取り出してみる。
「まぁ、マネキンもセットなのは分かっていたよ。」
いつも通りの仕様に少し呆れはしたが、いい加減慣れてきた。
今回は薄ピンクに苺ドット柄の7部袖シャツと、同柄のズボン。パンツも同柄なのは統一感を出す為か、はたまた透けても気にならないようにか、、。
まぁ細かい事は気にしないで良いか。と、俺はマネキンからパジャマを脱がせる。
さて、マネキンさん。その手に持っているのは何かな?
怒らないから、正直に言ってごらん?
「、、、。」
俺はマネキンの手を強引に開いた。
「、、また絆創膏じゃねぇか。でもキャラ絆創膏なのは褒めるべき、、か。」
俺は16枚ある中から、キテーちゃんとペカチュウを選んで胸に貼った。
あの女、絆創膏にハマってんのか?
ともあれ、パジャマに着替えた俺は、リビングへと向かう。
リビングに入ると、母さんとエチゴさんが向かい合わせに座っていたので、俺は母さんの隣に座る。
さて、もう時間は21時を過ぎたところだ。
明日の作戦について、早く話し合わなくてはな!
「まずは、ワカバちゃんがどうしたいのかを聞かせてくれるかしら?」
「うん。俺としては、ツギノ街に居るとされる魔族を保護したいと思ってる。ただ、ここで一緒に暮らすとかじゃなくて。え〜っと、例えばなんだけど、東京ドーム結界を改良して、避難場所みたいなのが作れないかなぁって。、、どうかな?」
「ふふっ、私は賛成よっ♪」
「僕も賛成なんだけど、、東京ドーム結界っていうのは?」
「あれは実際に見せた方が早いと思う。簡単に言えば、超頑丈でどデカいテントのようなモノ、、かな?」
「中にお店まであって、最高なのよーっ♪」
「そ、、そか。うん、よく分からないから、実物を見るまで楽しみにしておくよ。」
「うん!じゃあ次は、保護するにあたって、どう動くべきなのかってとこだね。母さんは冒険者ギルドの作戦内容までは知らないんだよね?」
「ええ。でも、こういう大規模な作戦の時は、決まって夜明けと共に作戦開始なの。だから明日もそうだと思うわ。」
「そうだね。ツギノ街までは馬を使うだろうから、移動で3時間+途中休憩1時間で合計4時間ってところだね。」
「ふむふむ。という事は、ツギノ街に到着するのが8時頃ってわけか、、。」
「ワカバちゃんが本気を出せば、5分で到着するわよっ♪」
「あっ、、エチゴさんには?」
「ああ、僕もワカバちゃんの事情は聞かせてもらったよ。川辺での謎が解けて、思わず笑っちゃったよ!はっはっは!」
「あ、あの時はごめんなさい。」
「ん?どうして謝るんだい?」
「いや、結果的には騙したみたいになっちゃったから。」
「それは違うよ、ワカバちゃん。結果的に、僕は命を救われたんだ。だから謝る必要なんてない。むしろ、僕からお礼を言わせてほしい。助けてくれて、本当にありがとう。」
エチゴさんは深々と頭を下げる。母さんも同様に。
「ふ、2人とも頭を上げて!助けるのは当然だよ。、、か、家族なんだから!」
「ふふっ♪それでも、ありがとう。感謝しているよ。今度は僕らが助ける番だ。可愛い娘が困ってるのなんて、お父さんは我慢できないからねっ!」
「エチゴさん、、。」
「あ、あれっ!?僕の事は『父さん』って呼んでくれないのーっ!?」
「いや〜、なんかエチゴさんは、エチゴさんで呼び慣れちゃってて。」
「そっ、そんな〜、、。」がっくし
かなり落ち込んでしまったようだが、エチゴさんはエチゴさんなんだよなぁ。
まぁ、徐々に変えていければ良いな。
いずれ父さんと呼べる日がくるように、、ね。
「そんな事より、どうやって保護するのかを決めなきゃよ?」
「そんな事って、、。まぁ、保護の方法は簡単だと思うよ。ワカバちゃんが魔王だって分かれば、大人しく従うんじゃないかな?」
「うん、俺もそう思った。問題なのは、どこに魔族が居るのか知らないって事だね。住人全員を鑑定して周る訳にもいかないし、、。」
「そうよねぇ。あっ!ワカバちゃんがツギノ街に魔法をぶっ込んで、生き残ったのが魔族じゃないかしらっ!?」
「ま、まぁそれは最後の手段にしとくよ。」
「う〜ん。なら、冒険者ギルドに確保させてから、奪還する事にするかい?」
「ふむ。それなら人違いをする事もないかぁ。ただ、俺の存在がバレちゃうんじゃないか、心配だけども。」
「それなら大丈夫よ。街から離れた場所で、全員仲良くおねんねさせちゃえば良いわっ♪」
「なるほど!それで行こう。まぁダメ元で探してみてからって事で良いかな!」
「賛成〜っ♪」」
「そうと決まれば、寝るとしましょう!明日は早いからね。」
「、、ワカバちゃん。私はお夜食が食べたいわ〜?」
「オカンがおねだりするなんて、、ワカバちゃん。僕もお夜食が食べたいな〜?」
「はぁ〜〜っ!まったく、どっちが子供か分からないじゃん。しかも、食べ物を魔法で作り出すのは、まだ出来ないよ。」
「え〜っ!?でもでも、東京ドーム結界には沢山あったわよ〜!?」
「あれは結界のオプションとしてあっただけなんだよ。明日また結界出すから、それまで我慢して!」
「はぁぁい。」」
2人して超がっくし状態になってしまった。
このままでは、明日の作戦にも影響が出てしまう恐れがあるな。
、、仕方ない。アレを出すか。
ズドンッ!!
「デザートは出せないから、今夜はこれで我慢してね!」
「おおーっ!私はこの黒いシュワシュワが気に入ったのよ〜っ♡ほらアナタっ、早くお金を入れなさいなっ!」
「わ、分かったよ。」
アイテムBOXに回収しておいた自販機が、早速役に立ってくれた。
2人のことは自販機に任せて、俺は先に休ませてもらうとしよう。
あっでも、寝る前にあれをやっといた方が良いか。
と、俺はソファーに寝転がったのであった、、。
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