きゃあいやはずかしっ




(っつーか。ずっと一緒にいるんですけど!?あの、オールバック野郎とサラサラ野郎と!?)


 自室にて。

 空はベッドの上で仰向けになって、ジタバタと手足を動かしていた。


 年上に見える二人の男性が庚から離れたところで、話を付けようとずっと睨んでいたが、信じられないことにずっと一緒にいるのだ。

 学校内でも。だ。なのに先生も同級生も、誰一人として二人の男性について疑問を投げかけない。

 どうやら、自分以外は二人の男性が見えていないようだ。

 つまり。二人の男性の正体は。

 神。だ。

 突然大いなる加護を受けることになった庚の傍には、常に二柱の神が付き従うようになったのだ。

 庚が心を許しているように、二柱の神様にいつも優しく接しているのは、自分を守ってくれているとわかっているからだろう。

 でなければ、いつも笑って、せんべいとおかきを渡しているわけがない。

 随分と、遠い存在になってしまったようだ。


 空は儚げな微笑を浮かべたが、次には、ごろごろごろごろと左右に身体を半回りし続けた。


(いやだからってずっと一緒って!!どうやって話を付ければ!!え!?もしかして!?俺の度胸が試されてんの!?二柱の神様を前にしても告白してみせろって!?)


 きゃあいやはずかしっ。

 空は両の手で顔を覆い隠しながら、右に左にと半回りし続けたのであった。











(2024.1.10)



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