転生先の中華風異世界で、世話になった邑を焼き落とした仇敵への復讐がストーリーの主軸にあった第1部、第2部。
第3部では一転、後宮における主人を陥れた犯人を探す、知の力での立ち回りがメインとなる権謀術数が描かれていきます。
シリーズお馴染みのメンバーに加えて、麗央那が新たに仕える主・漣や先輩侍女・孤氷など、個性豊かなキャラクターたちが女の園の物語を彩ります。
誰をどこまで信用できるのか、誰が敵で誰が味方なのか、麗央那は誰と、何と戦っているのか。
再び後宮へと飛び込んだ麗央那の、知恵と機転と胆力が試される——!
敵討ちという苛烈な試練を乗り越えた後ではありますが、閉ざされた後宮内での力関係や水面下での駆け引きに緊迫感があり、この静かな戦いも非常に面白く拝読しました。
そして、これまで仇敵を殺すことばかりを生きるための原動力にしていた麗央那にとって、大きな転換点ともなるストーリーだったとも感じます。
それぞれに強さを持つ人々との出会い。
事件の真相を知り、さまざまな種類の強さを知って、一皮も二皮も剥けた麗央那。
彼女の姿をここまで追ってきたからこそ、沁み入るような感動を覚えました。
大きく成長を遂げた麗央那が、次にどんな活躍を見せてくれるのか、続く第4部も楽しみにお待ちしております。