再会

勝利だギューちゃん

第1話

小学生の頃、転校をした。

理由は、父と義母の喧嘩。


僕の父は、婿養子。

つまり、僕は母の姓を名乗っている。


元々、父と義母の仲は悪かったが、義父が間に入ってくれていた。

しかし、義父が他界したときに、急速に仲が悪くなり、いわゆる家庭内別居となる。


離婚も考えたらしいが、僕と弟がいるので、思いとどまった。


そして、父が出ていくしかなく、引っ越しをした。

といっても、同じ市内。


電車で10分とかからない。


前の学校と新しい学校では、システムは違っていた。


新しい学校では、風船に手紙をつけて飛ばすという、今では難しいイベントがあった。

その手紙には、当然住所や名前も書かなくてはならず、拾った人が返事をくれたら、ラッキーというもの。


昔の漫画とかでは、よくあるね。


当然、僕もやることになったのだが、元来大人しい僕はそれを偽り、ガキ大将ぽい文面にした。

どうせ、だれも拾わない。


しかし、数日後手紙が届く。

差出人を見て驚く。


前の学校のクラスメイトだった女の子だ。


引っ越すときに。「七転び八起き」という言葉を送ってくれた子だ。

なので、印象に残っている。


手紙にはこう書いてあった。


『元気そうで、安心したよ。風船を拾った時には驚いたよ。でも、自分を偽らないようにね。君は前のままでも素敵なんだから』


涙が出るほど嬉しかった。

こんな偶然もあるんだな。


後日、その子を通してかつての級友と再会を果たした。



・・・なんて、漫画やドラマのようなことは、現実には起こるはずもなく、誰からも来ていない。

まあ、来なくてもいいのだが。


でも、さらに後日に行わらた、市内の学校対抗の運動会で、再会は果たした。

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再会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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