夕日色の保健室で、幼なじみと甘いひととき。

緋村燐

プロローグ

 真っ白なベッド。

 真っ白なカーテン。


 そこに映るのはオレンジ色の光。


 夕日が差し込める保健室に、わたし木村きむらほのかは幼馴染の日向ひむかいあらたと共にいた。


「……ほのかが言うことだから、信じてやるよ」


 ベッドの上で隣り合って座って、ポツリと新が言う。


 彼の黒髪と白い肌にも、オレンジ色が映っている。


 それを眩しそうに見つめたわたしは「ありがとう」とお礼を口にした。



 そしてはぁ……と大きく息を吐く。



「でも本当に、どうしてこんなことになってるんだろう?」


 困り果てるわたしを新は困ったような笑みで見る。



 そりゃあ、新も困っちゃうよね。


 突然。



 わたしタイムループしてるみたい!


 なんて言われても。

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