Twitterの悪魔

けいこ

時間泥棒

 朝、目が覚めたら青年は真っ先にスマホを開く。通知やSNSの反応を一通りチェックした後、Twitterのタイムラインを漁る。大したツイートはない。なぜか最近は読む気も起きないようなポエムや断言的な持論が流れてきて不快だ。どうして自ら微妙な時間を過ごさないといけないんだろう。そう思っていた矢先だった。1件のツイートが目に留まった。


「ネットは時間泥棒だ」


「人生のリアルの時間を盗んでいるから」


 青年は思った。なるほど、人生の時間はネットとネット以外すなわちリアルに分けると、ネットを使っている間は確実にリアルの時間を過ごしていない。そう考えると、ネットはリアルの時間を奪っていることになる。


 青年はスクリーンタイムを見た。僕は1日に4時間以上もスマホに費やしている。その間リアルで他のことをできたかもしれなかった。そう思うとゾッとする。しかも、そのうち1時間半以上はTwitterだった。


「とりあえず一旦スマホを置こう。」


 青年はどこまでスマホを触れずにいられるか己を試すことにした。すると、5分も経たないうちに身体がソワソワし始め、10分後にはスマホに手を伸ばそうとしていた。とうとう青年はスマホを開いてTwitterにログインした。青年の心拍数は上がり、脳は刺激を渇望した。


 また一人Twitterの虜になっていった。


「危ない、危ない。」


 Twitterの悪魔が現れ、青年の首の根を掴みTwitterのブラックホールに放り投げた。


「それ見ろ。」


 悪魔は姿を消した。

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