〜六.五話 勇者拓様①〜

 俺の名前は鎌瀬かませ たく

 都内最高峰とないさいこうほうの進学高校にいる二年生だ

 中学の時から完璧超人だった俺に人生は楽勝すぎる

 なぜかって?親譲のイケメン顔と優秀な頭脳、運動神経があるからだ。

 おまけに父親は政治家だし母方の祖母の権力も相待って超大金持ちだ

 親ガチャ大当たりってわけ、だから中学の時は常に周りに彼女を侍らせていたし、高校でもそうなると確信していた

 だがそれが狂わされた

 さすがトップの進学校だからか俺ほどでないにしろ迫る奴がちらほらいた


 まずは鈴木すずき 大知だいちこいつはスポーツ推薦でこの高校に入るという異例を達成して顔も俺ほどではないが中々のイケメンだ

 おかげでクラスから「スポーツマン=俺」の方程式がうすれちまった


 次に青張あおばり ゆうこいつは俺とほぼ互角に頭がいい、このせいで圧倒的に1位をとってハーレムを築き上げやすくできなくなった....だが青張はあまり顔が良くない

 いや、俺が良すぎるだけか

 まぁこの2人は言ってしまえば所詮しょせんその程度だ、まだまだ俺には遠く及ばない

 問題はもう一人の方だ


 水帝すいてい 水戸みずと。こいつは一貫生いっかんせいだからか頭がめちゃくちゃいい、この前の考査...いや、今までの考査で全科目200点と満点を叩き出している天才だ、流石に全科目最高平均185点の俺でも認めざるを得ない、にく

 運動は人並みにでき、顔も俺ほどではないがイケメンだ

 だがこれだけならあまりうらまない

 問題はこいつの行動だ

 まるで女子と喋っているところを見たことない、え?敵が増えなくていいじゃないかって?

 ばかっきゃろう、俺と同じ完璧超人だからか「氷点下の水帝様」と女子たちの間では比喩されていてモテてるんだよ

 俺以外がモテている、これだけで敵意に変わったね

 俺は対抗心を燃やし、クラスでハーレムを築き上げて水帝に見せびらかした

 だが、本人はすんともしない...それどころか最近までオタクだからといじられていた霧島というやつとよく喋るようになった

 一瞬、同性愛者を疑ったが放課後にとある先輩と話していたのを見てその疑惑は消えた

 その先輩とは生徒会長の水華みずか 日菜ひな先輩だった。ただ話しているだけならいい

 先輩と水帝が話しているところを何度か見たが、何度も女子を惚れさせてきた俺だからわかる、先輩が水帝と話している時の顔...あれは完全に女の顔だ、惚れている


 先輩たちの間では「絶対零度の姫」と言われている先輩が、だぞ?

 俺も何度か口説いたが完全に煙たがられていた

 まぁ、先輩はマジで美人で可愛いから水帝が他の女子に目を向けないのもわかる


 とにかく俺はなんとしてでも水帝に勝つために努力をしたね、

 俺がそう決心して次の考査、またも水帝は全科目満点を叩き出した

 2位でも平均180点だったのに水帝は自慢もしないしいつも通り霧島と話している

 ほんとにむかついた、だが結果を出さなければ意味がない...どうしようかと悩んでいた俺に好機が訪れた。

 そう勇者召喚だ


「ステータス、オープン」

クラスメイトたちが一斉に試し始めたのを俺も試してみた

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鎌瀬 拓 (かませ たく)


職業{勇者}


Lv.1

体力100/100

魔力 20/20

攻撃力増加 7%


スキル

固有スキル 聖剣スキル Lv. 1 魔族特攻 L.v 1  


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「しゃっっ!!俺の職業は勇者だ!」

どうやら俺が勇者らしい、まぁ当然だな

「えー!まじ!!さすがたっくん!」

「「おぉ!!勇者様だ!」」

「勇者様が現れたぞ!!」

それがわかった瞬間、王女という女も俺に懐いてきた。

 確信したね、この世界も俺のために存在しているって

 鈴木と青張が剣聖と賢者なのは想定外だったが何よりもあの水帝がただの剣士ということの俺は勝利を感じた、だから水帝に好意を抱いてたやつも全員寝取ってやったぜ

 どうだ、水帝?これが宿命ってやつさ




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 Q 悪役の書き方上手いですね、まるで著者が普段から悪役みたいです


 A 違います


 Q 悪役は自覚ないみたいですからね


 A 訴えますよ?

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