神様カスタマイズ

市杵島姫は戦おうと思えば戦えるが今のままでは彼女自身を守るための攻撃スキルが少なすぎた。

現在彼女が使えるスキルは以下の通りである。


瀬戸内の渦潮

360度、市杵島姫の半径25メートルの場所に何処でも渦潮を発生させることができる。こう渦潮に触れたありとあらゆる攻撃は無力化される。数は一度に五箇所に設置できる。


復活の神水

魂が肉体から離れていない状態の気絶、及び死亡した状態から完全に復活することができる。例え胴体を真っ二つにされてもその肉体の魂が半径10メートル以内を彷徨っている場合、強制的に魂を回収して切り離された体さえも接着させることができる。


魔除けの水

体に付着してしまった毒や呪いを引き剥がすことができる。それと、この水を浴びた者は1時間、状態異常にかからない。


弁財天の即興

琵琶を装備して音楽を奏でる。その音楽を聴いた味方は全てのステータスが上昇する。なおこの上昇効果はこの即興を聞いている者の感性によって上がる数値が異なる。因みに藤岡元就が聞いた場合全てのステータスが7程度上昇する。


龍神変幻

女神の状態から肉体を竜に変化させる。こうなった場合上記全ての技が使えなくなる代わりに強力な物理攻撃を有することが出来る。


火界咒かかいじゅ

不動明王の真言、味方の聞いた者、全てに筋力10アップ。このバフだけは竜の姿でも使用することができる。


以上が市杵島姫のスキルである。

非常に頼もしい攻撃除去、バフ効果、回復効果、それと竜の姿をした時の攻撃があり、一見隙が少なそうに見える技構成だが問題点は女神が暴露してくれた。


「渦潮と魔除けの水と即興以外は私の体力が大きく削れる。連発はできないと思ってくりゃれ」

「了解しました」


と言うことで女神の体力を温存させながら攻撃出来る神技を神殿で購入させてもらうことになった。


水の弾丸

高圧な水のつぶてを高速で発射することができる。威力は従えている人間の信仰と知力に依存するため一撃が岩を砕く程度の威力になっており、200発まで連射可能となっている。


雨乞(あまご)い

雨を降らせる踊り。一部地域に高確率で大雨を降らせることができる。これにより女神の神技の負担がかなり軽減される。それと一部の神技の攻撃力が上昇する。


人魚の歌

この歌を聴いた対象は誘惑されるか、深い眠りに陥る。


ウォーターヒール

傷を癒すことが出来る水の魔術。その効果は人にも神にも使うことができる。復活の神水には遠く及ばないがそれでも従えている人間の信仰によって回復量が異なってくるため、骨折や血管の破損程度なら簡単に回復することが可能であり、連発もできる。


上記の4つ購入して1200コールだった。

残り4300コール。


「市杵島姫様、作戦はこちらから攻める場合ですとまずは雨乞いをお願いします」

「そうした後に水の弾丸を使えばほぼ無限に水の弾丸が使えるからじゃろう?」

「そうです。そして本来のスキルも十分に活かすことが可能です」

「まぁ私は水場では強いからな、断る理由もないが、かと言って神が無償で人の言いなりになっておっては尊厳に関わる」

「でしたら毎月1500コールをお納めします。それでいかがでしょうか?」

「うーむ、まぁ、最初はそれでもよかろう、じゃが稼ぎが良くなった際にはもっと多く支払ってもらうぞ」

「かしこまりました」


女神に奉納したので残りが2800コールになった。

まさか神様と労使協定を結ぶことになるなんて・・・

なんか新しい会社を立ち上げたみたいでちょっと新鮮な気分だ。

しかし、いよいよもって所持金が少なくなってきた。

今日は女神に覚えてもらうスキルの探すので1日が終わってしまったが、明日は冒険者ギルドで仕事を探すことにしよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る