多分中層

第37話 魔法が通らない魔物選手権第一位

拝啓クソ家族及び親愛なる友人へ

上層を突破した時には平原が見えてたのに足元が光ったと思った途端岩山におりました。


「状況から察するに恐らく転移系の罠だろうなぁ…中層に入った途端にとか運が無さすぎるだろ。誰かしらの意図が万が一にでも関わってたら一発ぶん殴ってやる…」


とは言った物の引っかかってしまった物は仕方ないのだから現在位置の把握から始める事にする。


全面に広がるのはあちこちに岩が転がる坑道一歩手前くらいの岩山といった具合だ。

辺りにはグレーっぽいのから茶色っぽいの、果てには砂岩と思われる大小様々な岩が転がっている。色の割合としては2:6:2と言った比率だろうか?


「取り敢えず今までに見たことの無い階層である事から未踏の地域である事は確定…つまりは上層よりは下と言う事だろう。だとしたら問題は?下手したら最下層一歩手前の階層で気づかぬ内に脳漿のうしょう撒き散らして死に絶える未来しか見えんぞ…」


頼むからギリギリ対処出来るレベルであってくれと半ば祈りながら進んで行くと岩が動いた。


大事な事だからもう一回言おう。


地面から地響きを立てて迫り上がってくる『ソレ』はパッと見で身長5メートル程のデカさに重厚そうな岩がパズルの様に積み重なっている…そう、それは正に


「ストーンゴーレム先輩!?魔法なんざ甘え、物理で殴り合え俺と!を素で行くゴーレム系統の一番槍であり物理育成の大切さを多くのプレイヤーに教え込んできたゴーレム先輩!まさかこんな所で会えるなんて!」


振りかぶられた腕はあの蜘蛛に比べると遅かったため少し余裕を持って回避してみると伝わってくるのは大質量の腕から放たれる圧倒的な風圧には、いかにレベルアップによって肉体が強化されたとはいえ1発貰ったら余裕で死ねると思わせるだけの破壊力を持っていた。


「まぁでもゴーレムには取り敢えず魔法を打ち込んで見たいよね」


所詮は岩の塊なので速度差で引き離し『火属性魔法』を槍の様に形づくり回転もかけて貫通力に特化させる。そしてゴーレムが振り上げた腕に対して渾身の魔法をお見舞いしてやる!


「食いやがれ火槍ファイヤーランスッ!」


ガッ!ゴリゴリゴリ…


初めこそ勢いよく腕を貫き掛けた火槍ファイヤーランスだったが、練度不足のせいで腕の中間、丁度肘あたりまでしか貫けなかった。


「うん、俺が持ってる中では上位の貫通力の筈だったんだけど流石ゴーレム先輩やでぇ…聖属性は効果あると思えないし今度試す時は無属性魔法の杭を打ち込んだ後に魔力爆破で内部から破壊する擬似パイルバンカーとかもありか…?」


いきなり罠で飛ばされてから初めて出会う魔物に対して俺は嬉々として殺し方を考えるのであった…




〜あとがき〜

今日も今日とてこんにちは、皆様いかがお過ごしでしょうか?珍しく真面目よりの挨拶をしてみた作者の鈴ケ谷慎吾です。


まずは特に意味もないけどご報告第一章のタイトルを『多分上層』から『上層編』に変更しました。理由は単純で彼の中で上層の範囲が確定したからです。なので恐らく『多分中層』も下層に入れば『中層編』に章タイトル変えると思います。


そして今回の目玉となるご報告ですがもうちょいでフォロワー1000人に到達します…てかこの話を執筆中に999人なので更新するタイミングでは1000人行ってるかもしれないですね


相変わらずコメントやハートをいただけているのが大変モチベーションとなっておりますので今後ともよろしければぜひお願いいたします。


それではまた来週〜(更新出来るかは不明)


psフォロワーが更新当日に1000人行きました

ついでに総合PV十万達成です!本当にありがとうございます♪

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