第16話 報酬と進化
「どれだけ気絶してたんだ?」
意識を取り戻した俺は周囲を見回す。
モンスターハウスの出入り口は再び開いており抜ける事は出来そうだ。
しかし一箇所だけ最初に宝箱があり道がなかった所のレンガ壁が崩れている。そしてその奥に見える薄暗い通路が気になってしょうがない、次はここを進むとしよう。
それはさておき、俺は今一つ大きな問題に直面している。
オーガのドロップアイテム?置きっぱだが魔石は美味しく頂くつもりだ、斧や角も有効に活用させて貰おう。
だがそうじゃない、問題は落としてた羅刹を拾う時に気づいた変化だ。
なんか紫だ。
赤茶色だった刃は鈍い鉄色になったが紫のオーラを纏っていていかにも禍々しい、しかも鞘の方も朱色だったのが紫の色に金色で雷っぽい模様が紫の上を走る見た目になっている。
そして梅鉢の紋章の丸模様が一つ桜の花びらの様な模様に変化している。
「流石に変化しすぎだよなぁ…羅刹の『経験値成長』が関係してんのかな?『鑑定』っと」
武器名 獄門刀 夜叉
レア度 ユニーク 所有者 東野 建人
状態 呪い
武器種 日本刀
武器スキル 『装備解除不可』『戦闘中確率デバフ効果』『戦闘中MP継続消費』『討伐時経験値5割吸収』『経験値成長』『自動修復』『MP、SPが減るごとに全ステータス増加』『再戦特攻』
ユニークスキル『怨念の炎』『怨念の呪縛』『怨念の邪毒』『夜叉狂乱』
特徴 進化し、更なる力を手にした羅刹。
怨念は獄門を通りて現世に降り立つ。憎き相手を殺せど晴れぬ怨念が行き着く先は何処か…
「わぉ!名前まで変わってら、しかも『自動修復』とか他の武器使えない俺には地味にありがたい奴だ…」
(オマケにユニークスキルにも変化してんのか…検証が楽しみだけど『夜叉狂乱』とか不穏すぎませんかねぇ!)
まぁ不穏なスキルからは目を逸らしオーガのドロップを確認しに行く
「これは牙、こっちは角かな?爪は落ちてねぇか、魔石は拳大ぐらいあるな!今までの小石サイズの魔石とは大違いだ!」
ホイホイと『アイテムボックス』に放り込む
しかしどうすればこの巨大な魔石を飲み込めるだろうか、そう思いつつ魔石に触れると謎の声が脳内に響いた。
『規定サイズを超えるサイズの魔石を確認しました。『魔石喰い』の最適化を行います…
最適化完了、『魔石喰い』の最適化により手に持って念じる事で魔石の吸収が可能になりました。』
「ファッ!?なんだこの声!アナウンスってやつか?!こう言うのってダンジョン入った直後とかに初めて聞くもんじゃないの!」
唐突に聞こえてきた声で軽いパニックに陥るが即座に冷静になる。
『掲示板で煽られても冷静であれ』の心で身につけたスキルだ。
「まぁアナウンスが言ってた事が本当ならこの魔石に触れるだけで吸収できるわけだ」
オーガの魔石に触れ、吸収できるか試してみる。
「なるほど魔法と同じのりで吸収できるのか、MPは流石に使わないよな?んでもって相変わらず丸呑みも可能っと、純粋な強化だな」
この階層の平均サイズより数倍は巨大な魔石は経験値も桁違いな様で大量にレベルが上がっていくのが分かる。
「ア"ァ"〜全能感ヤベェ〜このレベルアップの為にダンジョン潜ってる気さえしてきた」
身体能力が跳ね上がりなんでも出来そうになる全能感、1レベの上昇幅ではこうならないがやはりあのオーガは桁違いの強者だったと言う事だろう。
「フィ〜落ち着こうか俺、流石にこのまま逝ってるのはまずいぞ…ってなんだこれ?」
魔石の影に隠れてたのか見逃していたアイテムがオーガのドロップ群の中に落ちていた。
「腕輪か?まぁ鑑定が安牌か…『鑑定』」
装備名 大鬼の腕輪
レア度B
装備部位 右腕
特殊効果
1 レベルアップ時ステータス『力』が伸びやすくなる
2 耐久力が上昇する
「へぇ…装備品かぁ、いわゆるアクセ枠って事だよな?てかステータスに『力』とかの項目やっぱりあるのね、クローズドステータスかよ!ってかつけるだけで耐久上昇はステータスにあるであろう『防御』とかに倍率がかかるのか?まぁつけるか」
腕輪をつけると防御が上がった…気がした。
「んん〜?イマイチ効果が分かんねぇな?まぁ他に装備品を持ってないからお守り程度の心持ちで持っておくか…てか防具とは別判定なのか…じゃないと羅刹の制限に引っかかるしなぁ…」
ぼやきながら完全に放置されていた他のドロップ品を回収する。量が量だけに推定レアドロもそれなりに入手する事が出来た。
「なのに他の武器は使えないと言うねトホホ…」
なんでこうなったのだろうか?いや…ね?呪いの武具にはロマンがあるよ? でもさ、やっぱり馬鹿でかい成人男性サイズの槍とかさ、一撃で大地を割れそうな斧とかさ、魔力を撃ち出す弓とか魔銃とか使ってみたいやん? 弓はワンチャン無属性魔法でできそうだな…(閃き)
魔力弓の野望を胸に秘め、いよいよ念願のステータス確認である。
あれだけ…あれっだけの魔物を倒したんだし流石に上がってるよね?
「『ステータス』」
ネーム
レベル 35
MP 992/992
SP 1,102/1,102
蓄積魔力 563
状態異常
『呪い』
因子 『炎血剛鬼』
ユニークスキル 『ボスの王』
スキル『鑑定』『魔力操作』『アイテムボックス』『魔力超回復』『過剰魔力蓄積』『並列詠唱』『危機察知』『全状態異常耐性』
ー武術基礎スキルー
『刀術』▽
1 斬撃強化new!
2 刀理解度上昇new!
3スキル『袈裟斬り』解放new!
『斧術』▽new!
1筋力増加new!
『槍術』▽new!
1刺突強化new!
『杖術』▽new!
1打撃強化new!
『盾術』▽new!
1防御力向上new!
『弓術』▽new!
1視力強化new!
『格闘術』▽new!
1SP上昇new!
ー物理スキルー
『袈裟斬り』new!
ー特殊武術スキルー
『魔刀術(仮)』▽new!
1 爆閃(仮)new!
2 斬鬼一閃(仮)new!
ー特殊魔法ー
『神聖魔法』▽
1 ホーリーランスnew!
『呪』▽
1 鈍足の呪い
2 攻撃力低下の呪い
ー基礎魔法ー
『聖属性魔法』▽
1
2 聖炎
3 硬化の祈り
4 剛力の祈りnew!
5 俊敏の祈りnew!
『無属性魔法』▽
1武装強化
2 身体強化new!
3 魔力球new!
4
5 魔力爆破new!
6 魔刃new!
『火属性魔法』▽new!
称号
ーレア度Sー
『魔石喰い』『魔法使い』『武器
「よしっ!ある程度予想はついてたけど馬鹿みたいにステ上がってるな!やっぱりあのオーガが経験値美味かったんだろ。取り敢えず(仮)がついてるスキルは『魔刀術(仮)』だけ『魔戦刀術』に変えてっと、増えてるスキルは『魔石喰い』の効果かな?んで謎に増えた『▽』はただの圧縮用ボタンと…」
改めて見るとバグみたいに数値が増えていることが良く分かる。
「俺ももうSPが四桁突入かぁ〜早くね?他のやつも同じくらいなんかな?まぁモンスターハウス中飯食べてないのに腹減らなかったあたりSP残ってる限り疲労で動けない事はなさそうだから、多いに越したことは無いか…新しい称号も鑑定しとくか」
称号 『一騎当千』
レア度 S
獲得条件 ソロでモンスターハウスを突破する
特殊効果
1 ソロ時に全ステータス上昇
2 複数同時戦闘時に全ステータス上昇
3 複数同時戦闘時に獲得経験値上昇
「へぇ…あんだけ大変だっただけあってそこそこ強い称号だな、因子…に関しては今できる事は何も無いかな?『鑑定』にも反応しねぇし、それはそうと…」
そう言って俺は『夜叉』を取り出し真正面に振り下ろす。
「魔戦刀術壱の
ドゴォッ!
凄まじい音と共に斬撃が通った下の地面が凹み、土埃が身体を打つ、その様子を見て俺はある事を確信する。
「やっぱり魔法の威力と操作性、あと魔力の調整が凄い楽になってる…これもレベルアップの効果か?」
夜叉を鞘へと納め、俺は崩れた壁の先にある通路へと向かうのだった…
ーあとがきー
なんか予約更新が使いやすくなってて唖然…
運営ありがとう!
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