第6話 3階層と呪いの刀
疑問を抱いたものの何度か戦闘をこなしつつ進み続けると意外と呆気なく次の階段を見つけた。
「おっ、レベルも上がったし階段も見つけたし、コボルトの牙も何本か出たし運がいいな」
あの後何度か群れとの戦闘があったものの魔法の力まで手に入れた俺にとっては瞬殺出来た。もちろんドロップは魔石は飲んでそれ以外は『アイテムボックス』に収納してある。
階段を降りるとすぐにゴブリン4体の群れに出会った…のだが装備が上と違っていた。
「ボロい剣と盾持ち1体、杖持ち1体、素手だけどゴツいのが1体、んでいつものが1体か…次からはこれがデフォなのか?」
なんて考えていると杖持ちが火の玉を生成し撃ってきた。
「うおっ!?ファイヤーボール?!杖持ちは魔法使いか!」
この隙に他のゴブリン共も攻めてきて乱戦に突入する。
「チッ、『武装強化』!」
即座に魔法で木刀を強化し、槍持ちゴブリンの槍の持ち手をぶった斬る。
シールドバッシュしてきた盾and剣持ちを蹴り飛ばし体格の良い奴、『鑑定』ではホブゴブリンだった…を袈裟斬りにして絶命させる。
ここで一度仕切り直しかと思った時にやな予感がして屈むと首のあった部分を刃こぼれしたナイフを持ったゴブリンが通過していた。
「危ねぇ…暗殺者ゴブリンかよ」
とは言え一度姿を見たら見逃さないし固まっているため更なる魔法を行使する。
「『聖炎』」
手から白い炎が噴き出してくる。その手を相手に向け容赦なく焼いていく、ギリギリで暗殺者ゴブリンが回避し、こちらに特攻してくるが脅威にすらならない
「『並列詠唱』『聖炎』」
唱えた瞬間空中に二つ目の魔法が出現し、容赦なく暗殺者ゴブリンを焼き尽くす。
全ゴブリンが灰になったのを確認して魔法を止める。こんなに使ったら魔力が尽きそうなもんだが『魔石喰い』のおかげで今のところ一度も尽きていない。
「1レベの時からは考えられないくらいステータスも上がってるな」
隠れたステータスがあるのだろう全ての能力がダンジョンに入る前とは大違いだ。
そして一息つくまも無く次のゴブリンの群れに遭遇する。
「魔法使い確認ヨシ!」
魔法使いがいない事を確認してから木刀片手に突撃を行う。
「右!左!右!右!弾いて突きぃ!」
群れの中で剣や槍、斧を振ってくるゴブリン達に対し木刀一本で渡り合う、『武装強化』が無ければとっくに折れるか切られるかしていただろうが無事だし、実感はないがゴブリンの棍棒を『アイテムボックス』に入れてあるお陰でステータスも上がっている。
「このくらいなら全然どうにかなるな!」
全滅させたゴブリン達の魔石を呑み込み探索ペースを上げる。
群れを見つけて魔法使い確認をし、いなければ特攻、いれば『並列詠唱』『聖炎』で焼き尽くす。
暗殺者ゴブリンがいれば勘で避ける。
コボルトの加速力も相手にならず薄皮一枚切れるか切れないかの所で回避しカウンターで首を落とす。
こうしているとスキル『危機察知』が芽生えていた。
「さて、これで何体目だ?」
13度目の群れを即座に壊滅させ魔石を飲んでいる姿はもはやゴブリンやコボルト、スライムや稀にいるホブゴブリンでは相手にならない事を示していた。
そしてある小部屋に入る事になるがそこにはロマン溢れる物が置かれていた。
「宝箱!?このダンジョンにもあったのか!」
もしかしたら罠があるかもしれないと思いあたりを見渡すが罠は見当たらない。
「ご対面〜」
ウッキウキで宝箱を開けると一振りの日本刀が置かれていた。朱色に塗られた上に金で梅鉢の紋が書かれている鞘と血の様に赤い皮が持ち手には巻きつけられている。
「マ?今は木刀をメインに使ってたけどここでピンポイントで日本刀を引く事ある!?」
『鑑定』するとこんな結果だった。
武器名 鉄の日本刀
レア度 D
武器種 日本刀
特徴 鉄で出来た日本刀、良く斬れる。
また横からの力には弱いため力量の問われる武器である。
「うん、こっち使ったほうが良さそうだな!」
俺は今までお世話になっていた木刀を『アイテムボックス』へと感謝と共にしまい日本刀を取る。
「は?えっちょっと待って何コレ!?」
日本刀を取った瞬間黒いモヤが吹き出し、俺の体の中に入って行ったと思うと同時に日本刀が1人?でに浮き出し帯を出して俺の腰に巻きつき、いわゆる佩く状態で固定された。
「は?待って何コレ?『ステータス』!」
ネーム
レベル 8
MP 107/107
SP 217/217
蓄積魔力 56
状態異常
『呪い』
スキル『鑑定』『魔力操作』『アイテムボックス』new!『魔力超回復』『過剰魔力蓄積』『並列詠唱』『危機察知』new!
ー特殊魔法ー
『神聖魔法』
『呪』new!
ー基礎魔法ー
『聖属性魔法』
1
2 聖炎
『無属性魔法』
1武装強化
称号
ーレア度Sー
『魔石喰い』『魔法使い』『武器
「え〜っとつまりコレは呪いの装備って事でオケ?」
俺は更に『呪われし者』と『鉄の日本刀?』を『鑑定』する。
称号 『呪われし者』
レア度 S
獲得条件 人類で初めて呪われる
特殊効果
1 状態異常『呪い』の時全ステータスが上昇
2 特殊魔法スキル『呪』を獲得
3 呪いに対する親和性上昇
4 呪いによるデバフ軽減
武器名 煉獄刀 羅刹
レア度 ユニーク 所有者 東野 建人
状態 呪い
武器種 日本刀
武器スキル 『装備解除不可』『防具装備不可』『戦闘中確率デバフ効果』『SP消費速度倍加』『戦闘中MP継続消費』『討伐時経験値5割吸収』『経験値成長』『MP、SPが減るごとに全ステータス増加』
ユニークスキル『怨嗟の炎』『怨嗟の呪縛』
特徴 地獄に繋がっているという逸話のある洞窟にて取れた未知の金属によって打たれた名刀、だが長い間人の血と怨念を吸った事により斬りつけた相手に地獄の業火と死者の怨念を灼きつける呪いの刀となった。
煉獄の炎で灼かれて尚尽きる事無き怨みの念が行き着く先は何処か…
「うへぇ何コレ…『鑑定』誤魔化してくるユニーク装備とか3階層で出て良いやつじゃないだろ…しかも外せないし呪いましましだしどうしてくれんだコレ?まぁでもその分強力そうだから次の敵に試運転してみるか」
こうして命の危機にすぐさま繋がるような呪いでは無いものの呪われた俺は手に入れたユニーク装備『煉獄刀 羅刹』の試し斬り相手を探し始めるのであった。
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