第8話 星魔法

 あれから10日、ひたすら魔力量を増やしながら信仰の鍛錬も欠かさず行った。

 今の所赤字でカツカツの生活を起こっている。

 食事を3日に一度から4日に一度に変えた。

 信仰力は使わなくても器の強度を上げるだけで生命力も活性化してくれるので、食事を減らしても大丈夫になってきた。空腹さえ我慢していたらその感覚は鈍くなるので餓死寸前まで大丈夫だろうとギリギリまで追い込んでいた。


(星魔法は・・・やめておいた方が良いな。)


 星魔法とは信仰力を使って発動する魔法の事であり、信仰力は星の力のため、その魔法も出身の星や出身地によって魔法の内容が変わるのだ。

 豊かな土地で過ごした人間が星魔法を使うと大抵の場合、治癒系の細胞を活性化、または浄化する力になる。

 砂漠のような土地の場合、エナジードレインみたいな力を吸い取る系の力に変わるのだ。

 このように土地や星関係になるので、ラックは使うことを躊躇っていた。


(こんな地獄みたいな環境の星で星魔法なんて使った時には自滅する可能性がある。)


 なんでか知らないが、ラックは魔力より信仰力の方が伸びが良いのだ。

 ラックは知らないが、信仰力だけは既に平均的な初期ステータスと遜色ない程の能力となっていた。

 そのため、こんなどれくらいな広さのシェルターか分からない場所で使った時には死を覚悟しないといけない。


(そんな事よりガチャどうするか・・・)


 取り敢えず、今は赤字だがこのまま行けば黒字になるまでそんなに時間がかからないとラックは予想を立てていた。

 だが、これは今のままの成長した場合の話である。

 なんでもそうだが、最初に比べたら成長が進むほど成長速度は遅くなるのが常である。

 魔力などもそれに当てはまるのかは書かれていなかった。今やっている鍛錬もゴトンに初期からついているチュートリアルみたいなものである。


(より良い鍛錬法があると見て良いだろう。出来ればそんな鍛錬法が分かるものが当たって欲しい。)


 自分の魔法が唯一の金策であるため、どうしてもより効率的な鍛錬法は生きていく上で必要であった。


(もしくは、それを知っている人物でも良いが・・・)


 その場合、必要な酸素量が単純に倍になる。

 税収がどれくらいになるか分からないのにイタズラに人が増えてしまったら共倒れになってしまうのである。

 だから、そんな事故を防ぐ意味でもガチャは黒字になるまで置いておくのもありではないかと思ったのである。


(それに一気に引いた方が良い結果になりそうな気がする。)


 最悪なガチャ運人生を送ってきた経験的にこんな時は貯めて貯めてパッと使った方が良い結果に傾く事もあるのだ。

 ラックが素で最低保証を引き当てるくらい確率が低いが、やってみる価値はあった。


(このままだと一生最低保証で終わる人生になりかねない。)


 ラックは元々貯めて貯めて天井分まで貯めて回すのが、定番というより欲しいのを当てる上での最低限の保証だった。

 なんだったら前世ではバグが発生して天井をすり抜けるという珍事件も起こす事もあった。

 だから、この青天井という縛りがあるラックにとって幾ら貯めても心持たない状況だった。


(良し!ワシは決めた!貯めれるだけ貯めよう!)


 こうして極限節約生活が始まって・・・


(30日目記念ガチャ・・・)


 僅か10日で終わった。

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