神の血に溺れる~Re:キャンパスライフPART3
出っぱなし
愛などフィクションである
人間という生き物は、一般的に冬になると人恋しくなる。
それはなぜなのだろうか?
心のバランスを整えるホルモンである『セロトニン』の分泌量が減る、というところが関係している。
人間は脳内で、朝日が昇る朝から昼間にかけてセロトニンの分泌が活性化され、太陽が沈むと徐々に分泌量が減っていく、というようなホルモン活動を行っている。
つまり、日照時間が短い冬は自然と分泌量が減ってしまい、心が不安定になりやすくなるというわけである。
さらに、睡眠ホルモンとも呼ばれる『メラトニン』は、セロトニンをもとに生成される。
そのため、セロトニンの分泌量が減れば、メラトニンも減り、眠れないせいで自律神経が乱れ、心の安定も乱れてしまう。
というような悪循環に陥ることになる。
単純に気温が下がり、動物的に『誰かと身を寄せ合って体を暖めたい』と本能が求めるようになるということもある。
それらの動物的本能に加え、金の亡者である商人共によって、恋人たちの為のイベントにすり替えられた西洋の伝統行事もある。
それらをマスゴミがさも尊いもののように囃し立てるものだから、恋人のいない寂しさを罪であるかのように思い込ませる。
恋愛ドラマなど、その最たるものだ。
それ故に断言できる。
愛などフィクションである、と。
とはいえ、孤独な夜に絶望的な気分に陥っても仕方がない。
人間は群れで生きる生物的本能があるからだ。
いや、人間でなくとも
人間など1年中発情できる生物であるので、碌な生き物ではない。
特に冬はその特徴が顕著になるだけなのだろう。
さて、くだらないことを偉そうに書き散らしたが、僕も碌でもない生き物で例外ではない。
異国で孤独な冬、それだけで十二分に人恋しくなるものだ。
しかも、この当時の僕は、入学時に野宿をしたキャンプ場のバンガローを1棟借りて住んでいた。
町でシェアハウスするのと家賃はほぼ同額、学校も自転車で通える距離であったので悪くはないと住むことに決めたわけだ。
しかしながら、8畳ほどの広さのバンガローに一人で住んでいるのである。
どのような心境になるのかは、想像におまかせする。
では、ワインと食事を味わいながら語ろうじゃないか。
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