給与が支給されないと御免な話②

「こんなクソ上司の世話は、給料をもらわないとやってられない。」


件のクソ上司の下につく前、おかん星人はフレックスタイム雇用であった。基本給はそれほどではないが、その分残業代で稼いでくださいというスタンスの環境。ある意味ブラックではあったが、残業に関しては自由にさせてもらえていた。


それがクソ上司のもとに異動してから一変した。まず、フレックス雇用を定時出勤に戻され残業代を一銭たりとも払いたくないとの目論見で言われたことが、

「定時ぴったりにPCをログオンして定時ぴったりにログオフしろ。」

は?そんな神業、凡人であるおかん星人ができるわけがない。人にやらせる前にまずは貴方がやってみてください。

などということは当然ながら言えない。当の本人は自分が天竜人であると言わんばかりに好きな時間に出退勤をしながら、残業ばかりの自身の働きぶりがいかにすごいかとアピールする。

残業を封じられたおかん星人の手取り収入は激減。こんなクソ上司と仕事をすることがあほらしくなり、定時出退勤が奨励されている環境をうまく利用してブログを始めたのだ。とはいえ、ブログ収入なんてものは残業代と比べるとスズメの涙以下のものだ。このブログは収入目的ではなく、自身のストレス発散と自己満足の上で成り立っている。

このクソ上司は当然ながらコロナ禍でも在宅勤務を一切許可しなかった。他部署が在宅を推奨されている中、哀れみの目で見られ続けたおかん星人。「哀れるくらいなら金をくれ!」そう思わざるを得なかった辛い過去。そして、これはめでたく過去となったのだが、それはまた別の話。

(続く)

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