❖夕陽新聞❖

2130年4月27日朝刊より

【大阪万博にてタベモノ複数体の駆除に成功】

 全国食物対策駆除課は昨日、大阪万博にて一斉に発芽したタベモノの駆除に成功したことを明らかにした。グルメフェスに参加した各国からは、日本の駆除対応に称賛の声が上がっており、後日に御礼金が支払われることとなった。5年前に八喰いとなった小鈴シャオリンを含め、死亡者・行方不明者数は、現時点で1200人を超える(内訳は以下)過去でいちばん被害が大きい戦闘となった。

〈死亡者数〉

全国食物対策駆除課より876名

他一般人より358名

八ツ喰・横浜市食物対策駆除課:小鈴

合計:1235名


2130年5月1日朝刊より

【八ツ喰「骨丸」食物対策駆除課引退発表】

 全国食物対策駆除課は一昨日、第82回全国食物対策会議にて八喰いを務めていた「骨丸」の引退を発表した。会議内で骨丸は「不死であるゆえ、仲間の死を見続けるのがいずれ辛くなる。それほどに今の仲間を好いてしまった」と心の内を語った。今後は全国のカラスを集めて、フードロス対策事業に取り組みたいとの言葉も聞けた。


2130年7月6日朝刊より

【新八ツ喰に「ナユタ」と「キムチ」就任決定】

 全国食物対策駆除課は、全体の駆除数の集計を終えて、大阪市対策駆除課「ナユタ」と「キムチ」を新八ツ喰とすることを決定した。ふたりを長く知る麗花は「彼らの実績を見ても妥当な判断と言える。これからもその才能を存分に活かして欲しい」と期待を口にした。また元八ツ喰である夜達磨も「彼は心から信頼している。日本のために、その刀を振い続けてくれるはずだ」と語っていた。就任式は月末を予定している。


2130年9月18日朝刊より

【大阪万博から半年 食物発芽件数減少傾向】

 全国食物対策駆除課は、2130年上半期のタベモノ発芽件数を発表した。それによると、大阪万博での乱発を境に、発芽が減少傾向にあることが明らかになった。食物研究を専門とする東京大学佐藤准教授は「国内の発芽件数が減る一方で、海外の発芽件数は伸びている。大阪万博で大規模な駆除が行われたことで、タベモノ自体が日本国内で発芽することを避けているのではないか」と見解を語る。八ツ喰である亜仙は「件数は減っていることは大変喜ばしいことだが、油断はできない。タベモノは現代に現れた鬼ということを忘れてはならない」と世に喝を入れた。

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