現実からの逃亡

夜の街に潜み歩く時

所々に植えられた街路樹

幹が曲がりくねっている

その下にはぎゅう詰めの雑草と

飛び跳ねる火花のようなバッタ

必死に生きている

人工の食物連鎖

繰り返される闘争

何からも逃れられない現実

過ぎていく一瞬

宇宙が静止しているように

今が静止していると思い

気づかぬふりではなく

本当に気づいていない

街は動き続ける

車が通り過ぎ

バッタが草を貪る

僕の一歩が街を行きながら

街は僕から一歩遠ざかる

嘲るように日が上り

憐れむように、また日が沈む

僕はどこへ行くのか

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