【見た目は少女で中身は熟女が好き!】度し難い変態へ生まれ変わりました。

霧咲 霞

第一章 ロリババアを探せ!

第1話 驚愕の目覚め


バァン!!

派手な音と共に地中に埋められた棺桶から一人の少年が這い出て来た。


「死ぬわぁ!」


危うく窒息死する所だった!

目覚めたら棺桶と思われる箱の中に居て次第に息苦しくなってゆく…その事実にパニックを起こし、気が付けば棺桶の蓋を地面ごと吹き飛ばしていた。


ぜぇぜぇと荒い息を付きながらおもむろに空を見上げると3つ並んだ月が怪しく輝いていた。

何故月が三つ?と考えながら三つ並んだ月を見ながら息を整えていると突然激しい頭痛に襲われた。


「あばばばば!」


出て来たばかりの棺桶に蹲り頭痛に耐える。



どのくらい経過しただろう?漸く頭痛が収まった頃に唐突に理解した。いや無理やり知識を流し込まれたと言った方が正しいのかもしれない。



「この記憶が確かならコレは『転生』ってやつなんだろうけど‥‥」


実は先程頭痛に襲われている時に自分とは別の人間の記憶や知識が頭に流れ込んで来ていた。

拒む拒まないに関わらず一方的に流れて来る情報に意識が遠のきそうだったが、痛みでギリギリ意識を手放さずに済んだようだ。


しかしこれだけは言いたい。


「何で転生先が棺桶の死体なんだよーーー!!!!!」



子供特有の甲高い声が山の中に響いた。



★★★★★★★★



「しかしまぁ転生先がまさかの変態博士のご遺体とは‥‥そんなに悪い事したか俺?」


この記憶が正しければこのオーキスと呼ばれた人は変態ロリコンだ。


元は『魔道具師』だったが、彼の才能を妬んだ同僚の手によって冤罪を着せられ処刑されそうな所を命からがら逃げだした。

国境付近にまで逃げのびたオーキス博士は追手を躱す為に一人で地下に逃げ込んだ。

しかし一人ではすぐに限界来てしまい、近くの村で食料や資材を貰う代わりに魔道具作りをしていた。


しかし時間と共に彼の本性が出てしまった。


彼は…ロリコンだった。


幼女や少女を愛でる事をこよなく愛した彼はついに本性を解き放ってしまった。

そして一度解き放った本性を隠すことなど出来ず、ロリコンを遺憾なく発揮した結果、幼女や少女としか会話しない『変態博士』となり何度か幼女を攫うという犯罪を犯し、子供を心配した親から接触禁止を言い渡され絶望。


そしてそのまま息絶えたと。


「ホント救いようのない変態だったが‥‥腕は超一流だったんだよね~」


ロリコンで全てを台無しにしていたが彼は『稀代の魔道具師』と呼ばれる程の才能を持つ掛け値なしの天才だった。

世界を変えるとも言われた『空を飛ぶ魔道具』をあと少しで完成させられるところまで漕ぎつけた程で諸外国からもかなりのオファーがあり王国の繁栄に最も寄与した人物でもある。


彼の一番の特徴は魔導師でも一流以上になれる程の魔力量と魔力制御力を持ちその魔力制御力によって既存の魔道具を上回る性能を生み出していた。


また彼は薬学にも通じて『成長阻害薬』や『発育不全薬』など幼女を幼女のままに留めておく薬を作っていた程だ。


稀に有益な薬も作ったのだが‥‥ごく稀だ。


さてそんなロリコン博士の体と知識を持って生まれ変わったのだが…俺は元々熟女好きだ。

あの包み込まれる様な包容力を持った女性が大好きな俺は日頃から街中のマダム達を追いかける癖があった。


そして運命の日、職場であるピアノ線の製造工場でいつも通り巻き取り機の監視をしていた所で、好みドストライクのピアニストのマダムが自身が使うピアノの弦を作った工場に興味があって工場見学に来ていた。


そしてマダムのドレスから覗く弛んだ足を夢中で凝視していた結果、巻き取り機に巻き込まれてキレイに体が裁断されて…目が覚めたら変態博士の体で蘇った訳だ。



正直なんてしょうもない死因だなとも思ったが重要なのそこじゃない。

熟女好きがロリコン趣味の変態に転生した結果、俺の性的嗜好は『ロリババア』になっていた。

奇跡の成した業なのか変態の業なのかわ判らないが、見た目は幼く精神年齢は完熟した子が好きと言う度し難い変態へ生まれ変わったのは確かな様だ。



「度を越した変態じゃねぇかよ俺‥‥」


驚愕すべき事態にどうしようと悩んでいると『ぐぅぅ~~』と腹が鳴った。


「ロリババアを探す前に食い物の確保だな」


そう独り言を呟きながら博士の記憶にあった村に向かって歩き出した。


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