床上手なビッチさんが一万円で童貞を捨てさせてくれるらしいから必死にバイトして貯めたら幼馴染にぶん殴られた
マノイ
本編
「
「悪ぃ、今日バイトなんだ」
「またぁ? 最近多すぎない?」
「そ、そんなことねーよ」
「何焦ってるのよ。まさかいかがわしいバイトやってるんじゃないでしょうね」
「ちげーよ、普通のコンビニバイトだって。
「それもそっか」
あっぶねぇ、なんとか誤魔化せた。
アレがバレたら絶対こいつにぶん殴られるもん。
なんとしても隠し通さねば。
「保仁がいないとつまんない。遊びに行こうよー」
「バイト無い日に毎日遊んでるだろうが」
「だからそのバイトだらけでほとんど遊べてないじゃん」
「幼馴染とはいえ高校生にもなって毎日一緒に遊んでるのがおかしいんだよ。恋人じゃあるまいし」
「ぶー、それじゃあ恋人で良いから遊ぼうよ」
「なんだよ良いからって」
「保仁は嫌?」
「嫌じゃないけどさ……」
「え、ほんと! そっか、嫌じゃないんだ」
「痛い、痛いって!」
思いっきり肩をバンバンと叩いて来やがった。
これが無ければとっくに甘いムードになって本当に恋人になってたかもしれねーのにな。
「お前みたいな暴力女、他にもらってくれるやついねーだろうしな」
「ひっどーい!」
「痛え!だからそういうのを止めろって言ってるんだよ!」
「あはは、ごめんごめん」
「ぜんっぜん反省してねーな」
こいつ本当に遠慮しねーからな。
肩がもう真っ赤になってそうだわ。
よし、逃げよう。
「それじゃ俺バイト行くから」
「ぶーぶー」
「また明日ー」
俺にはやらなければならない使命があるんだ。
いつまでも沙里奈と遊んでいる訳にはいかない。
――――――――
それは二週間前の事だった。
「なぁなぁ保仁知ってるか?」
「なんのこと?」
「うちのクラスの
「ああ、あのビッチさん?」
悪口じゃないぞ。
本人がそう呼ぶことを喜んで許可しているんだ。
「そう、そのビッチさんがさ、やらせてくれるって」
「何を?」
「何をってそりゃあ決まってるじゃないか。ビッチさんだぜ」
「え、まさかセッ〇ス?」
「そう、それ」
「マジで!?」
見た目が遊んでそうだからビッチなのかと思ったら、まさか本当にビッチだとは。
ビッチさんは美人な上に妖艶な体つきで見るだけで男の下半身が刺激されてしまう。
そんなビッチさんとセック〇出来るなんて夢のような話だ。
「でもお高いんでしょう?」
「それなりの値段ではあるらしい」
やっぱりお金を取るのか。
そんな美味い話はないってことだな。
でもお金を払えばヤらせてくれるっていうのはアリかもしれない。
いやいや、何を言ってるんだ。
お金で同級生を抱くなんて最低じゃないか。
「なんだよ保仁、興味ないのか」
「いやぁ、金払うのはちょっとな」
「何良い子ぶってんだよ。童貞の癖に」
「お前だって同じだろうが」
俺は将来的に幼馴染が相手になるかもしれないが、こいつはそんな候補すらいないだろ。
「まぁそれはそうなんだがな。ぶっちゃけ俺も話を聞いた当初はないわーって思ってたんだよ」
「ほほう、つまり心変わりする何かがあったと」
「実はビッチさん、すげぇ上手いらしいんだ」
「上手い?」
「テクが凄すぎて昇天しそうな程に気持ち良いらしいぜ」
「…………マジで?」
あの体でテクが凄いだと。
ヤバい、立ち上がれなくなった。
「それどこ情報?」
「色んな奴が言ってるぜ。特に二組の
「あの色男が!?」
片岡は顔の良さを利用して女をとっかえひっかえしているクズ野郎だ。
そんな多くの女を経験している片岡が絶賛しているということは、本当に凄いのかもしれない。
どうしよう、マジで立ち上がれなくなった。
「ふふ、保仁くんも私を買ってみる?」
「うひゃあ!」
俺の暴走中のアレに制服の上から柔らかなものがそっと触れて優しく一撫でされた。
それだけで暴発してしまいそうな程に気持ち良かった。
「び、びっちさん!?」
「これはサービス。どうかしら、貴方達なら一万で童貞を卒業させてあげるわよ」
「一万……」
「卒業……」
ごくり、と生唾を飲み込み、俺達は顔を見合わせた。
ふっ……良い顔しているじゃないか。
あれは覚悟を決めた戦士の顔だ。
仕方ない、俺も腹を括る時が来たか。
いや待てよ、良く考えれば一万は安くないか。
相場は知らないけれど、『本番』はもっと高いイメージがある。
これは罠かも知れない。
しっかりと確認しなければ。
「本当に一万で良いの?」
「もちろんよ。貴方達の体つきは悪くないからね」
まるで視線で全身を
これがビッチさんのテク。
見られているだけでこれなら触れられたら一体どうなってしまうのか。
「私だって相手を選びたいからね。貴方達は私のお眼鏡に適ったってわ・け」
「その、本当に『本番』まで?」
「ええ、たっくさん出してね。例えばこ・こ・に」
ビッチさんが指さしたのはお腹の少し下辺り。
ああもうダメだ。
これ以上質問なんてする余裕はもうない。
「用意しますから待っててください!」
「保仁待って、俺も行く!」
俺達は猛ダッシュでトイレに駆け込んだ。
…………ふぅ。
――――――――
てなわけで俺はビッチさんとの想い出を作るためにバイトをしていた。
そして今日がついに給料日だ。
これで俺は極上の体験が出来るぞ!
翌日の放課後、俺はビッチさんに声をかけた。
ビッチさんは人気なので当日に今からやろうと言ってもダメ。
だからしっかりと予約してある。
「あ、あの!よろしくお願いしまひゅ!」
「うふふ、可愛い」
「うひゃあ!」
ビッチさんに頬を撫でられて快感が体中を駆け巡る。
まだだ、まだ耐えるんだ。
俺の一か月の努力(オ〇禁)を無駄にするな!
「保仁あ~そぼ」
「え?」
「あれ、なんで甘吐さんと一緒にいるの?」
しまった、沙里奈のこと忘れてた!
「保仁君はこれから私とイイコトするのよ」
「え~なんでよ! 昨日でバイトが終わりっていうから今日一緒に遊べるの楽しみにしてたのに!」
「別にお前とはいつだって遊べるだろ。今日は勘弁してくれ」
「いーやーだー!」
こいつの性格上駄々をこねるのが分かっていたはずなのに。
事前に言いくるめておくのを忘れていた俺の失態だ。
「うふふ、あなたは保仁君の彼女かしら」
「ふぇ!?」
「違います! こいつは幼馴染なんです」
彼女がいるならやっぱりダメって言われるかもしれないと思い慌てて否定しちまった。
「そんなにはっきり言わなくても良いじゃん。まさか保仁はその人が好きなの!?」
だよな。
こいつなら絶対そう言うと思ってた。
ああもう面倒くせぇ!
「違うって、そうじゃないから」
「あら、保仁君は私のこと嫌いなの?」
「ぐっ……いや好きですけど、その沙里奈が言う好きとは違うって言うか……」
「うふふ、可愛い。冗談よ」
なんだ、揶揄われてただけなのか。
嫌われて中止になるかと思って焦ったわ。
ビッチさんは満足したのか、ひとしきりクスクス笑うと今度は妖艶な笑みを沙里奈に向けた。
「ねぇ、私と保仁君がこれからナニをするか教えてあげようか」
「ビ……甘吐さん!?」
沙里奈はビッチさんのことを知らないようだから迂闊に愛称で呼べない。
もし呼んだら即ぶん殴られただろう。
いや、呼ばなくてもこのままでは同じ結末になるかもしれない。
ビッチさんが沙里奈の耳に口を近づけて何かを囁いたからだ。
「!?!?!?!?」
途端に沙里奈の顔が真っ赤に染まる。
人間の顔って瞬間的にここまで赤くなるのかと現実逃避気味にその変貌を眺めていた。
「保仁の馬鹿ああああああああ!」
「いでぇ!」
こいつグーパンで顔面殴ってきやがった。
超痛え!
「何考えてんのよ!」
「何ってナニ?」
「馬鹿ああああ!」
「いでぇ!」
うん、今のは俺が悪かったな。
ボケるタイミングでは無かったか。
「まぁまぁ怒らないであげて。保仁君は今日のために頑張って働いて来たんだから」
「それってまさかお金払ってセ、セ……やろうとしてるの!?」
「当たり前だろ。タダでやらせてくれるわけないだろ」
「馬鹿ああああ!最低!変態!クズ!」
「いで、いで、いで、止めろって!」
女の力とは言え、本気で何度も殴られたらかなりしんどい。
「そもそも俺が変態だって知ってるだろ!」
「そうだけど、そうじゃないの!」
「意味分かんねーよ!」
名誉のために補足しておくが、別に俺が変態プレイが好きってわけじゃないぞ。
エロいことが好きでそれを沙里奈に知られてて変態って呼ばれてるだけのことだ。
「お金で女の人とエッチなことするなんて、人として最低だと思わないの?」
「いやそれはそういう仕事している人や甘吐さんに失礼だろ」
「う゛……それはそうだけど……」
ふぅ、ようやく落ち着いてきたか。
「それにほら、こう考えれば良いんだよ。マッサージみたいなもんだって」
「全然違うよ!」
「そうか? 気持ち良くしてくれるんだから同じようなものじゃん」
「違うったら違うの!」
やっぱりお金のところが気になってるのかな。
それじゃあ物で支払うのはどうだろうか。
「甘吐さん、一万円分の物をプレゼントするって形はどうですか?」
「うふふ、どうしようかしら。本来であればダメなんだけれど……」
「そこをなんとか」
「そうね、それじゃあ一万円分のピルをお願い」
「じゃあそれで」
「ダメに決まってるでしょ!」
これでもダメなのか。
もう無視してビッチさんと帰ろうかな。
流石にホテルまではついてこないだろう。
とか思っていたら沙里奈が爆弾発言をしやがった。
「私じゃダメなの!?」
「は?」
それって沙里奈と〇ックスするってことか。
流石にこの発言は予想外だった。
だがダメだ。
「お前処女だろ。気持ち良くしてもらえねーじゃん」
「な、な……!」
今日はビッチさんに天にも昇る気持ちにしてもらう予定だからな。
ラブラブエッチをしたいわけじゃないんだ。
そもそも趣旨が違う。
「それにお前だと……」
「~~!」
すとーん、という言葉が似合うちっぱい体型。
俺は小さいのも好きだが、これまた気持ち良くしてもらうという趣旨からは外れるだろう。
「馬鹿ああああああああ!」
「ぐはぁ!」
今日一の渾身の右ストレート頂きました。
あまりの速さでまったく目で追えずにもろに喰らっちまったぜ。
世界狙えるんじゃね?
「あんたなんか! あんたなんか!」
「嫌いなの?」
「…………」
ビッチさんの一言でピタリと癇癪が止まった。
まさか女心まで手玉に取ることが出来るのか。
「…………嫌いじゃない。…………大好きだもん」
「うふふ、保仁君は愛されてるわね。君は彼女のことどう思っているの」
「いや、まぁ、俺も好きですけど」
普通に彼女にしたいと思ってるよ。
照れる時と怒った時に暴力的になるところを除けば可愛くて気の合う幼馴染だし。
えっちなことしたいとも何度も思ったことあるし。
「じゃあ!」
「でも今日は甘吐さんに気持ち良くしてもらいたいだけですし」
「だからなんでそうなるのよ!」
「まぁまぁ落ち着いて」
そのためにずっと煩悩を抑え込んで我慢してきたんだぞ。
今更それを止めるなんて出来るわけが無いだろうが。
「ねぇ保仁君。君は気持ち良くなりたいんだよね」
「はい!」
「うふふ、良い返事ね」
「さいってー」
はっ、男なんてこんなもんさ。
「それじゃあ相談なんだけど、もうしばらく我慢してみない?」
「ええええ!そんな殺生な!」
これ以上耐えるなんて無理無理無理無理!
「そこをなんとか男の子」
「男の子だから無理なんです!」
「うふふ、それもそっか。でも我慢した方がきっともっと最高の気持ちになれるわよ」
「え?」
それは一体どういう意味だろうか。
「保仁君は彼女のことが好きなんでしょう」
「まぁ、ハイ」
「でも彼女は処女であなたを喜ばせられない」
「ハイ!」
「返事が良すぎるのがムカつく!」
「まぁまぁ。でもね保仁君。もし彼女が私と同じくらいあなたを喜ばせられるとしたらどう? 最高じゃない?」
「そう……ですね」
沙里奈が俺を喜ばせる?
性知識に疎くて明らかに下手そうな沙里奈が?
もしそれが本当にそうなら、確かにビッチさん相手よりも遥かに興奮するかもしれない。
でもそんなことはあり得ないだろ。
「それじゃあ私が仕込んであげる」
「は?」
「え?」
仕込むってまさかビッチさんのテクを伝授するってことか。
でも伝授って言ってもそもそも体型がアレだし、処女だと痛くてそれどころでは無い気がするが。
「保仁君の考えていることは分かるわ。でも安心して、処女でも女の子は男の子を喜ばせることが出来るの」
ビッチさんは怪しく指を動かしている。
そうか、手技なら処女でも関係ない。
それにわざとらしく舌なめずりをしている。
そうか、口技もまた処女でも関係ない。
もしかしたらそれ以外にも秘蔵のテクがあるかもしれない。
そしてそれらを沙里奈が覚え、俺を喜ばせてくれるとすれば……
「う゛っ……」
マズい、これまで耐えていたのに息子がまた暴走し始めた。
こんなところで一か月間の修行の成果を無駄にするわけにはいかないんだ!
「うふふ、どうやら効果てきめんのようね。どうかしら、教育代は一万円で良いわよ。もちろん経験後のアフターケアも用意するわ。ナカでもあなたを喜ばせてあげられるようにね」
「なんて話をしてるんですか!」
「あら、嫌なのかしら。だとすると私が彼の童貞を本当にもらっちゃうわよ」
「うううう……」
「うふふ、素直になりなさい」
マジか。
沙里奈が陥落しそうだ。
本当にあの沙里奈が俺を喜ばせて……やばい、ちょっと出たかも。
考えるな!
「さぁ保仁君、どうする?」
これ以上考えたら俺の体が持たない。
だから直感で応えることにした。
「二万円払うから、ビッチさんと沙里奈と二人に気持ち良くしてもらいたい!」
「馬鹿ああああああああ!」
ああ、この痛みのおかげでどうにか醜態をさらすことはなくなったぜ。
結果どうなったかって?
ビッチさん仕込みの沙里奈のテクは本当に昇天しそうな程に気持ち良かった、とだけ。
「はぁ、でも沙里奈でこんなに気持ち良いならやっぱりビッチさんも気になるなぁ」
「馬鹿ああああああああ!」
床上手なビッチさんが一万円で童貞を捨てさせてくれるらしいから必死にバイトして貯めたら幼馴染にぶん殴られた マノイ @aimon36
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます