神託の奏者

sun-333333

第1話 冒険の匂い

中学二年生の夏休み、友だちと遊び疲れたエレナはベッドに入るとすぐに眠りについてしまった。


私は見覚えのある洞窟の中にいた。


私が小学生一年生の夏休み、近くの森で迷子になった。

私はいつものように友だちと遊んでいた。

その日はかくれんぼをしていた。

私は隠れるために近くの山の奥まで行った。

そして、この洞窟にたどり着いた。

洞窟の中はとても神秘的な雰囲気があり、洞窟の奥にはこん色のきらきらとした神秘的な光を帯びた、宝石のようなものがあった。

そのあとはよく覚えていない。

ただ、なんとなく怖かったことは、よく覚えている。


「エレナさん、お久しぶりです。」

美しい声が洞窟の中に響いた。

この声も何故か聞き覚えがある。

しかし、これが一体誰の声でいつ何を聞いたのかは全く覚えていない。

「エレナさん、私を探してください。」

そう"声"は言って私は夢から覚めた。


今日もいつもどうりいつもの食パン一枚とヨーグルトだけの朝ごはんを食べ、"あの日"以来決して行かなかった山の奥まで行った。

そこはあの日と同様、洞窟があった。

私は勇気を振り絞って洞窟の中に入った。

すると、あの日と同じように神秘的な雰囲気があり、紺色の光を放つ宝石のようなものがあった。

「エレナさん、こんにちは。夢の中では、いきなり話しかけてしまい申し訳ありません。」

夢の時のように、洞窟の中にあの美しい声が響いた。

「あなたは、一体誰?」

正体のわからぬ声の主に私は話しかけた。

「すみません。自己紹介がまだでしたね。

信じられないとは思いますが、私は月の女神と申します。名前の通り、私は神の一人です。」

信じるも何も、いきなり過ぎて、そもそも、意味がわからない。

あの美しい声の主は月の女神で、自分は神様だと言っている。

「今、魔王によって神々の力が失われつつあります。」

更に意味のわからないことになった。

情報量が多すぎる。自分は神様だと言っている何かは魔王がどうのこうのとか言い始めた。

しかも、その、月の女神は姿を表そうとする気配がない。

しかし、なぜかを聞くと頭がパンクしそうだったから聞かないで置いといた。

「エレナさん、私と一緒に世界を救いましょう。」

月の女神がそう言う。

「分かった。今、家で準備してくる!」

姿こそ見えないが、月の女神の優しい微笑む声が聞こえる。

軽い気持ちで言った私は、いつもと全く違う楽しいことが起こりそうだと、冒険に向けた、高まる気持ちを胸に納め、家へと向かった。

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