第2話 文字や画面が チカチカしだしたkoro! 

 1960年代、農業主体の片田舎の小学校なのに、当時は意外と進んでいて鉄筋コンクリート製三階建ての、今の公営団地みたいな建物だった。生徒は40人クラス単位で各学年2~3クラスなので、全生徒数は500人くらいはいたと思う。学校での子供の遊びと言えば、運動場でのボール蹴りや校舎周りのかくれんぼ、そして備え付けの鉄棒や雲梯などだったけど、低学年では教室の中に残って勉強している子は殆どいなかった。


 読む本と言えば教科書か図書室の本くらいで、またテレビもようやく普及しだし、世間は東京オリンピックで一挙に高度成長時代へと入りかけたころである。道路は殆どが砂利道で、雨が降ろうものなら黒長くつ履いて、ピッチピッチちゃぷちゃぷランランラン!の世界であった。


 そのころ、何ということでしょう高学年になった私、短ZACくんは、今までほとんど出入りしてなかった図書館の中を徘徊しだしたのです。マンガだけでなく、ところどころに挿絵が描かれてる冒険小説に興味を覚え始めました。テレビでは大御所手塚治虫氏の不朽の名作「鉄腕アトム」とか、のりたまふりかけの桑田次郎作「エイトマン」、「スーパージェッター」なるもの等もやっておりました。子供にとってはスーパーヒーローであって、わくわく感があふれ未来が予言されてるように感じていたのです。本当にこうなるかもしれないなあ~と夢見ていたのです。

 それに加えて、初めて見るような画面や外人さんが出てくる洋物の番組がいくつかありました。


 小学校高学年と言っても、当時は日が暮れてしまえば大人は酒飲んでテレビ見ながらねてしまい、子供は九時には熟睡していたのです。その時間内で胸躍りつつ見れていたのが時代物の「隠密剣士」とお笑い系の「てなもんや三度笠」、そして洋物と言えば「名犬ラッシー」や戦争ものの「コンバット」そして大好きだった西部劇の「カートライト兄弟(ボナンザ)」などだったのです。


「隠密剣士」公儀隠密(幕府の密偵)と霧のとん兵衛という伊賀忍者の全国行脚物語

      とにかく、殺陣や忍術と忍者たちの動き、手裏剣の描写はすごかった!

「てなもんや三度笠」確か日曜日の午前中に放映されていた、今の吉本新喜劇と同類

「名犬ラッシー」少年と賢いコリー犬のラッシーが、日常的に元気に活躍していた

「コンバット」ヨーロッパ戦線でドイツ軍と戦う小隊の物語で、ビッグ・モロー演じ                                                    

      るサンダース軍曹とヘンリー少尉、リトルジョン、カービー等の兵隊              

      さんたちが、重要な役割で演じていく物語で奥が深いストーリーでした

「カートライト兄弟」男兄弟4人と親父が、大西部の日常生活を送っていく西部劇

      で、何もかもがスケールが大きく目を皿のようにして昔のアメリカの情

      報をえていましたです。


 小学校時代は、国営放送1局と民放が1局だったし放映時間は朝夕がメインで、数時間に限られていたけど、やっぱりテレビの中の物語や他県や世界の日常が自分の目で観られて、子供の夢が大きく膨らんだことは間違いない。とです

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