天野純一のミステリの書き方
天野 純一
第1話 慣れるよりも習え!
まずミステリって何なんでしょうか――という問いからだいたいの創作論は始まる気がするんですが、僕はどうでもいいので飛ばします。おおざっぱに言えば、最後に解決がある物語。それでいいんじゃないでしょうか。
僕は徹底的にサボりたい人間ですから、試行錯誤しながら手を動かすのは最小限にしたい。そうなると必然的にタイトルの「慣れるよりも習え」ということに繋がってきます。先人の並々ならぬ努力を横から利用してやれ!というわけです。
創作論とか小説の書き方で、よく「書いてるうちに慣れるからとにかく書け!」みたいな言葉を目にします。
そんな丸投げにしたようなアドバイスに何の意味があるんでしょうか。それがめんどくさいから教えを乞おうとしてるんやっちゅーねん。こっちの身にもなってくれ。となります。
需要のない前置きはこれくらいにして。
僕が実際にやった「習え」の方法、行きます。
プロの推理作家のミステリと、インターネットに上がってる「ミステリの書き方」「ミステリ系新人賞の選評」を片っ端から読む。
これに尽きます。
プロのミステリを読む。これは当たり前ですね。前例となるトリックを理解していないと、新しいものを生み出すことはできません。生み出してもだいたい被ると思います。
で、それ以外に新人賞の選評!←これ重要。
僕はお金も使いたくない人間です。小説の書き方を学ぶためだけに金なんか払うもんか、です。なので全部ネットからのかき集めで賄ってやろうというわけです。
ネットに上がっているミステリ系新人賞の選評を貼っておきますね。
・福山ミステリー文学新人賞
https://fukumys.jp/senpyou.html
・メフィスト賞
https://tree-novel.com/sp/works/episode/760115873d434f0d227fa80bd23e0dfb.html
・「このミステリーがすごい!」大賞
https://konomys.jp/archives
・日本ミステリー文学大賞新人賞
https://kobun.or.jp/mistery_new/
・江戸川乱歩賞
https://tree-novel.com/sp/works/23053d1fc05fbb2d506c40021a695c12.html
僕は、「このミス大賞」の1次選考の一部と「江戸川乱歩賞」以外は、1次選考から最終選考まで全回を読みました。これを狂気の沙汰と見るか、それぐらいやって当然だと見るかは人によるかなと。
江戸川乱歩賞は比較的最近treeに上がったんですかね? ノーマークでした。
公募新人賞を目指すのでないならここまではしなくてもいいかもしれませんが、積極的な方には「福ミス」の1次選考と「日本ミス文学」の最終選考、「メフィスト賞」の座談会をおすすめします。
特に「メフィスト賞」は、「面白ければ何でもあり!」をモットーにしていることもあって、投稿作のレベルが非常に高くユニークです。選考の際の編集者同士のやりとりが「座談会」と呼ばれているのですが、それ自体が読み物として面白い!
上に挙げた3賞、騙されたと思って是非読んでみてください。自分の作品に足りない部分が見えてくると思います。
また、本格ミステリの登竜門として「鮎川哲也賞」があります。極めてハイレベルですが、残念ながら「ミステリーズ!」という雑誌を手に入れないと選評が読めません。お金をかけられる or 大きめの図書館に行ける方はそちらをどうぞ。
と長々としゃべりましたが、「お前の小説投稿歴はどうやねん」「お前は選評で言われてることを守って書けんのか」というお声が聞こえてきそうです。
僕の投稿歴はずばり、「小説推理新人賞」1次落ち……の1度だけです。ああやめて……空き缶投げつけないで……。
中3のときに書いたんですが、今見返すとあまりにも稚拙なので公開はしません。苦痛に耐えながら読んでくださったであろうどこかの下読みさんへ、この場をもって謝罪します。
で、これ以外には『神嵐館の連続殺人』を福ミスか鮎川賞に出すために書いていたんですが、誰にも読んでもらえないのに嫌気が差してカクヨムにやってきた、という流れになります。心が弱いですね!
そういうわけで「慣れる」の部分は全くのど素人並みなんですが、「習う」のところはそれなりに身につけていると思います。書いてきた文章は少ないですが、考えついてメモしているトリックはかなり多いほうなんじゃないかなと自負しています。
僕の方法論では、トリックの生み出し方・舞台装置の作り方などを中心にお話しできたらと思います!
ちなみにまだ全然書いておりませんので、行き当たりばったりです!
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