中世ヨーロッパの怖い話

第50話 城に住む霊

　ある森の深くに立つ古い城がありました。この城はかつて、悪名高い領主が住んでいた場所で、彼は村人たちを虐待し、恐怖に支配されていました。

ある夜、村人たちは領主に対抗するために共謀し、城を包囲しました。彼らは城に火を放ち、領主を討とうとしましたが、領主は逃げおおせ、城は焼け落ちました。しかし、その際に城にいた村人たちも炎に巻かれ、無念の死を遂げました。

以来、その城は呪われたようになり、夜になると幽霊たちが城をさまよい歩くと言われています。村人たちの怨念が城に宿り、領主の幽霊も自分の罪を償うべく、幽霊たちとともに彷徨うとされています。

この城に近づく者たちは、不気味な叫び声や不可解な光、幽霊の姿が見えると言います。村人たちは城を遠くから見つめ、幽霊たちの呪縛から逃れることなく、彼らの行いによる報いを受けているとされています。その城の幽霊は、領主の過去の罪を繰り返し語り継がれ、村の中で警戒の的とされています。