第31話 呪われた白の誓い

 片田舎にある城が、村人たちの間で呪われた城として知られていた。城の主、エドガー公爵は冷酷かつ悪行の限りを尽くし、その城は災厄の温床となっていた。


ある日、若者アルバートはエドガー公爵の城に仕えることになった。彼は生まれも育ちもこの地であり、周囲の警告を無視して城に足を踏み入れた。城内には異様な雰囲気が漂い、アルバートは従者たちの怖れる視線を感じた。


公爵は冷酷で残忍な支配者であり、彼の命令に逆らうものは容赦なく処罰された。アルバートは公爵のもとで働くうちに、城には死者の魂が渦巻いているように感じた。そして、ある晩、城の地下牢で過去の暗い歴史が明らかになった。


エドガー公爵はかつて城の美しい姫君に恋をし、その愛を叶えるために禁断の呪いをかけた。しかし、呪いは彼らの愛を腐敗と混沌のものに変え、結末は悲劇的なものとなった。姫君は呪いによって魂を抉られ、城はその死者の魂で満たされてしまったのだ。


アルバートは公爵の支配に反発し、呪いを解くための手がかりを探し始めた。彼は城の奥深くに隠された秘密の部屋を見つけ、そこで過去の出来事が彫り込まれた古い絵画を発見した。姫君の亡霊がアルバートに訴えかけ、城を呪いから解放するよう懇願していた。


アルバートは決意を固め、公爵に立ち向かった。呪いを解くための儀式を行い、姫君の亡霊を安らかな場所へ導くことに成功した。だが、呪いが解ける代償として、アルバートもまた城に縛り付けられる運命を受け入れなければならなかった。


以後、城は呪いから解放され、村人たちは安堵の息吹を感じた。しかし、城の中にはアルバートの亡霊が佇み、彼の悲劇的な運命を伝え続けていた。村人たちは呪われた城の歴史を警戒し、その城を忌み嫌うようになった。

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