第10話 呪われた鏡
小さな村に、呪われたとされる古びた鏡があった。村人たちはその鏡には悪霊が封じ込められており、夜になると鏡が揺れ動き、村人たちの運命を映し出すと言い伝えていた。
ある晩、好奇心旺盛な青年、レナールがその呪われた鏡に挑戦することを決意した。彼は鏡の前に立ち、冷たい風が吹き抜ける中で自分の姿を映し出すことを待ち始めた。
鏡の中に映し出されるはずのレナールの姿ではなく、異様な光景が広がった。彼の姿が次第に変わり、鏡の中のレナールは笑い声を上げ、村人たちが異常な状況に巻き込まれるさまを見せられているようだった。
レナールは鏡から目を離すことができず、次第にその笑い声が彼の耳にこだまするようになった。彼は鏡の中で自分の手が悪霊によって引き寄せられ、宙に浮かるようになる光景を目の当たりにし、絶望に打ちひしがれた。
村人たちはレナールが鏡に取り込まれたことに気づき、村の神官を呼んで祈りを捧げることになった。神官は祈りの中で鏡の悪霊を封じ込め、レナールを解放することに成功した。しかし、レナールはその時に見た異常な光景が、彼の心に深い傷を残すこととなった。
以後、呪われた鏡は村の中心から遠ざけられ、人々はその存在を忌み嫌うようになった。夜になると鏡が揺れ動く様子はなくなり、村は静寂に包まれるようになったという。
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