中世ヨーロッパの怖い話

第3話 幽霊の宴

　あるイギリスの城が、月明かりの下で幽霊たちの宴が行われる呪いに苦しんでいた。伝説によれば、かつてこの城で贅を尽くして暮らしていた領主が、その死後に幽霊たちを呼び寄せ、死者たちが宴を楽しむことを永遠に続ける呪いをかけてしまったとされていた。

ある冷たい冬の夜、勇敢な若者ヘンリーがこの城に挑むことを決意した。彼は城の門をくぐり、不気味な音と影が漂う中を進んでいくと、宴の音楽と幽霊たちの笑い声が耳に響いてきた。

ヘンリーは城の奥深くで、幽霊たちが宴を繰り広げている厳かな場所を見つけた。しかし、彼の姿を感じたかのように、音楽が止まり、すべての幽霊がヘンリーを見つめた。

死者たちが動きを止め、彼らの瞳がヘンリーを見つめる中、宴が再び始まった。しかし、音楽や笑い声は不気味で、楽しさとは程遠いものだった。ヘンリーは怯えながらも、幽霊たちが何故この宴を続けているのかを尋ねると、一人の幽霊が静かに語りかけてきた。

「私たちは贅沢と欲望にとらわれ、死の後もその罪を背負っている。この宴は、我々が犯した罪を忘れずに、永遠に贖い続けるためのものだ。」

ヘンリーは幽霊たちの言葉に心を打たれ、彼らと共に罪を贖うために宴に参加することを決意した。以後、城には月明かりの下で行われる、幽霊たちの哀愁漂う宴の音が響き渡るようになった。