中世ヨーロッパの怖い話

第2話 森の呪い

　ある小さな村に、恐ろしい呪いがかかったと言われていた。その村の境に広がる深い森に住むとされる「影の民」と呼ばれる存在が、村人たちに呪いをかけていたと噂されていた。

ある晩、若者のアルベルトが森に入り込むことを決意した。彼は友人たちと共に、呪われた森の謎を解き明かそうと考えたのだ。彼らは暗闇に包まれた森を進むと、次第に異様な雰囲気に包まれていくことに気づいた。

しばらく進むと、友人たちは次々と姿を消し、アルベルトは一人で深い森に取り残された。彼は迷子になりながらも進むと、森の奥で不気味な影が佇んでいるのを見つけた。それは人の形をしているが、何かが違っていた。

影はアルベルトに対話を始め、森にかかる呪いの元凶が彼の先祖にあたることを告げた。アルベルトは先祖が「影の民」と呼ばれる存在と契約を結んでいたことを知り、その呪いが代々受け継がれていたことを悟った。

影の民はアルベルトに呪いを解く方法を教える代わりに、彼に重い代償を求めた。アルベルトは迷わず承諾し、呪いを解く儀式を始めた。しかし、儀式の最中、アルベルトは次第に自分が影の民となっていくのを感じ、彼の姿も次第に影に包まれていった。

朝が訪れ、村の人々はアルベルトが消えたことに気づいた。しかし、呪いは解け、森の中で何かが変わったような気配が漂っていた。それ以後、村人たちは呪われた森を避け、アルベルトの存在は伝説となり、影の中で彼の声が時折聞こえるという。