14位・「たまさか人形堂ものがたり」津原泰水
帯には「人形を修復することは、ひとの心を治すこと」とある。
考えてみると、人形とは不思議だ。調べると「(木や土やセルロイドなどで)人の姿をまねて作ったもの」と出てくる。
どうして人は人の姿をまねて作ったものを必要とするのか。
本作のあらすじは「会社をリストラされ突如無職となった澪は、かつて祖母が営んでいた小さな人形店を継ぐことにした。人形マニアの青年・冨永と謎多き職人・師村の助けを得て、素人なりに、人形修復を主軸にどうにか店を営んでいる――店に持ちこまれる、様々な来歴をもつ人形や縫いぐるみを通して人の心の謎を描く、珠玉のミステリ連作集」となる。
人形を通して描かれるのは「人の心の謎」であるというのは興味深い。静かな物語でありつつ、くすっと笑える箇所も多く非常に読みやすいので、津原泰水の入門としても優れているかも知れない。
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