21位・「書店主フィクリーのものがたり」ガブリエル・ゼヴィン
夏頃から読書記録をつけるようになった。すると海外の本をまったく読んでいないことに気づいた。ということで、手に取ったのが「書店主フィクリーのものがたり」。
あらすじは、「島で唯一の書店を営む店主のフィクリーは、一人で本を売っていた。かつては愛する妻と二人で売っていた。しかし、彼女は事故に遭って、いまはただ一人。そんなフィクリーの書店に幼児が置き去りにされているのを発見する。彼女の名前はマヤ。フィクリーは彼女を独りで育てる決意し、島の人たちがマヤを育てる手助けをしようとしてくれる」というもの。 タイトルにある通り、これは「フィクリーのものがたり」で、言い換えると彼の生涯と言っても良い。本作は時間の経過が大事な要素となっている。
なので、幼児だったマヤは作中で高校生くらいまで成長する。
更にマヤを育てるのに手助けしてくれていた人たちにも変化がある。個人的に好きな登場人物は本を読まなかった警察署長で、彼が読書会を開いたりしていく姿は微笑ましい。
そして、彼は最後に言う「本屋のない町なんて、町にあらずだぜ、イジー」。
本を読むことの面白さを教えてくれる良書が本書だ。
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