インタビューwith零式菩薩改

零式菩薩改

第1話 対面

 ここは、とあるホテルの一室の前……。


「すー。はー」


 今日は、記者としての僕の初めての仕事だ。緊張をほぐす為に大きく息を吸って吐き出す。そして、静かにドアをノックした。


「入ってまーす!」


 トイレかよ! そう突っ込みたいのを必死で我慢をした。流石に、零式菩薩改さんだな。物語を読んでも、笑う場面があるもんなぁ。僕は、早くもこの方からジョークの洗礼を受けた。


「入ります!」


「どうぞ」


 まともな返事を聞き、ほっとした。ボケまくられたら、僕のセンスでは対応できないだろう。


「あっ」


 思わず声がでた。中に入ると上半身は、タキシードで下半身は短パン姿、そしてビーチサンダルを履いた男が椅子に座っていたからだ。と、とにかく挨拶をしなくては。


「初めまして、週刊春分しゅうかんしゅんぶんの記者の根堀喜久雄ねほりきくおです。零式菩薩改さん、今日は、よろしくお願いします」


 僕は、名刺を差し出した。すると、彼は両手で受け取り微笑んだ。


「こちらこそ、よろしくお願いします――堅苦しいのは無しでいいかな。零式と呼んでくれていいよ。あと、僕のサイドイコライザーが、君は天職に就いたと言っている……知らんけど」


「あ、ありがとうございます」


 サイドイコライザーって何だ? まぁ、どうせ予知能力みたいな事だろう。って、知らんけど? と言う事は冗談なのか? まぁ、ここはスルーだな。機嫌を損ねる発言をする必要はないからな。

 こうして、僕のインタビューは、始まった。

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