心身が悲鳴を上げた時は休んでいいのです
小林汐希
第1話 限界を迎えたこころからの悲鳴
2019年の12月、私は決断を迫られていた。
仕事を休むか否かというものである。「休む」といっても、風邪をひいて数日間というレベルの話ではない。いわゆる「休職」を宣言するかの瀬戸際だったという方が正確かもしれない。しかし、その宣言をすることには大きな葛藤があった。
その年の10月に転勤をしてきたばかりの自分がその意思表示をしてよいものだろうかと。
原因は振り返ってみるといろいろとあった。通常より手間のかかる子育て、仕事の休日は自宅での家族サービスや庭仕事をはじめとした作業。年齢も上がって基礎体力が落ちてきたところに酷暑が重なり下血も経験した。それでも出社しなければならなかった立場と仕事。
そして夏が過ぎ、ひと段落がついたところでの人事異動。ここで自然災害の対応疲労に加わったのが職場の人間関係のプレッシャー。これが最終の引き金を引いたのであろう。
最初は駅まで自分で運転をすることができなくなり(これでも十分に重症である)、それでも家族に送ってもらい出勤をしていたが、ついには帰宅後に激しい動悸で動けなくなった。
その頃には、職場内でも「調子が悪いのではないか」ということで受診を勧められた。しかし、この症状は普通の内科診療で済む話ではない。以前からメンタルクリニックに通ってはいた。しかし、たまたま主治医側の都合で入院施設もある本格的な精神科専門病院に転院した。
そこでこれまでの経緯と、最後の引き金の話を話したところで、新たに主治医となった先生は「とにかく一度休んで、整理をしましょう」という言葉と共に診断書を書いてくれた。
診断書に書かれた病名は「適応障害による抑うつ症状」、「〇〇、△△等の症状が継続しており、就業は困難のため休養を要する」というものであった。
この日から、病気による業務遂行不可能となる。社会復帰に向けた日々が始まった。
それは皮肉にも、街中が一番賑わうクリスマスイブの日であったことを覚えている。
(※おまけ)
後に勉強したことではありますが、このような主治医からの健康に関する診断書が発行された場合、
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