天使

 うーん。

 はあ。

 書評家?

 あー。

 いやー。

 はあはあ。

 いや、別に。

 ネットで見れるし。感想なんて。

 あー。

 アンチ意見しか信用出来ない。

 アゲはステルスマーケティングだ。

 そうだね。

 他の人の感想を知りたいか。

 これはすでに「アンチ」なんだな。

 あー。

 うーん。

 パッとしないと内心で思ってるらしい。

 そうか。

 うーん。

 あー。

 うーん。

 あー。

 うん。

 いやー。そうか。

 私はアンチだったんだな。アレとかアレに関しては。

 はあ。

 いやー。

 うーん。

 あー。

 力作だなあと思ってたんだけど。

 うん。

 これ「素人芸」なのかなあ。

 力作って駄目なのかな。

 あー。

 頑張ってるって、誉め言葉としてはアレだよね。

 頭使ってないんだよ。

 あー。

 うーん。

 いやー。

 はあ。

 うーん。

 なるほど。

 ふーん。

 これかい。

 うーん。はあ。

 あー。

 うーん。

 駄目なのか。

 あー。

 ふーん。

 へえ。

 あー。

 いやー。

 困ったな。

 特に悪いとは思わないんだけど。

 この古典漫画。

 うん。及第点だよ。

 あー。そう。

 満点ではないけどね。

 あー。

 うーん。

 困ったね。買い手市場。

 満点の作品でなかったら金返せか。

 いやー。

 うーん。

 あー。うーん。

 創作の世界に、そんなノウハウはない。

 満点の取り方? 誰も知らない。

 あー。

 満点の作品?

 何があるのさ。

 うん。ないよ。

 あー。

 いいだろう。別に。壊れせんべいで。

 味は変わらないと言うか、美味しいよ。充分。

 うーん。


 +


 あー。

 うーん。

 はあ。

 いやー。

 うーん。

 あのさ。

 うーん。

 えー。

 はあ。

 うん。

 いやー。

 ええ?

 はあ。

 うーん。

 困るんだよね。

 完璧な作品ではない。

 その程度のこと、見れば分かる。

 うん。

 今はね。批評家も批判される時代なんだよね。

 ネット社会面白ーい。

 うん。

 完璧な作品ではない。

 だったら、完璧な作品を作ってみせろ。

 まあ、無理。

 無理だと言うなら完璧な作品の「定義」を述べてみせろ。

 うん。

 あー。

 やってみるか。

 最初から最後まで面白い作品。

 うん。

 あー。でもな。

 大人になってから良さが分かる作品とかもあるしな。

 うん。

 いやー。

 あー。うん。

 うん。

 あー。

 いやー。

 最初から最後まで面白いか。

 いやー。

 後から面白くなって来る作品とか一杯あるよ?

 あー。

 そうか。それだな。

 後から面白くなって来るタイプの作品は最終回近くで失速するんだ。

 これな。

 統計データが出たんだよな。ちょっと異論を挟めない。

 うーむ。

 あー。

 そうか。

 最初が面白くない作品は後半失速するのか。

 いやー。

 あー。

 あのさ。

 面白いって、あなたの「主観」ですよね?

 うん。

 私ならこう返す。

 別に?

 1000人中1000人に満足してもらえる作品なんて不可能です。

 お客様の70%が楽しんでくださるなら上出来です。

 うん。

 あー。

 まあね。

 統計学か。

 これな。

 100%は不可能ってことを立証してくれたんだよな。

 どんなに頑張ってもアンチは出ますって。

 うん。

 あー。

 ナイチンゲールは偉大だ。

 うん。


 +


 勝率は100%です!

 いやー。

 負けフラグだ。

 いや、関係ないけど。

 うーん。

 はあ。

 どうしような。

 うーん。

 いやー。

 うん。

 あー。

 うーん。

 満足か。

 あー。

 創作に「満足する」って何?

 うん。

 別に?

 漫画も小説も数百円だし。

 うん。

 あー。

 ラーメン一杯我慢するだけの価値はあった。

 うん。

 こう思えれば、それでいいんだよね。

 うん。

 創作なんてラーメン一杯と等価以上なら充分。

 困ったね。

 フレンチに行きたいのか。今の子たち。

 そんな高級品、逆に売れないから嫌なんだけど。

 あったなあ。フレンチと餃子。

 うーん。

 はあ。

 あー。

 あれー?

 もしかして。

 はあ。

 このわなびたち、フレンチに挑戦してますかね。

 誰も見たことのない最高級品を作ろうとしてる?

 はあ。

 いやー。

 うーん。

 はあ。

 あのさ。

 勝算はあるの?

 えっと。

 シェイクスピアは通読してるよね?

 アレも駄作が結構多いんだよ。

 うん。

 お前、そこまで目が肥えてたっけか。

 あー。

 フレンチ?

 お前、喰ったことあるの?

 モリエール知ってる? オースティン知ってる?

 うん。

 夏目漱石読んだ? 武者小路実篤は知ってる?

 うーん。

 あー。

 うーん。

 討ち死にするだけだと思うんだけど。

 不勉強過ぎて。

 うん。

 勉強しちゃうと、逆に餃子でいいやになるんだけどさ。

 あー。

 元を取りたいんだよ。資料代の。

 うん。

 あー。

 ふーん。

 創作フレンチ? はあ。

 いくら借金しなきゃ駄目なんですか。

 屋台でいいよ。

 はあ。

 あー。

 屋台の食べ物なんて、もう売れないのか。

 困ったな。

 借金してまで商売したくないんだけど。

 薄利多売を目指してるから。

 高級フレンチ?

 いやー。

 俗物だなあ。

 いいでしょう。別に。

 里芋の煮っころがしで。

 あっちの方が手間かかってるよ。

 別にいいでしょう。日本人なんだから。

 フレンチなんか喰えなくても。

 うーん。

 困ったな。

 ふーん。

 あー。

 そうか。

 大量の資料がある時代なのか。

 あー。失礼。

 悪く言ってしまうと、

「駄目小説の見本」が一杯ある時代。

 なるほど。

 最高の作品を作りたいって野心家が出て来るのね?

 へえ。

 ふーん。

 はあ。

 なるほど。

 うーん。

 いやー。

 うーん。

 その割にはシェイクスピア知らないんだ。

 困るね。


 +


 あのさあ。

 うーん。

 やっぱりコックを目指すなら美食家でないと駄目だよ。

 小説投稿サイトの小説を読んで、「これなら越えられる」?

 はあ。

 まあね。

 アマチュアだからね。

 アマチュア同士、フィフティ・フィフティだと思う。

 あー。

 そうだね。

 後発組のあんたが勝つに800円。

 いえい。

 うん。

 後発組な。

 先輩に勝てないと話にならん。

 うん。

 ふーん。

 はあ。

 いやー。

 まあね。

 うん。

 あー。

 ふーん。

 はあ。

 いや。

 別に。

 うーん。

 私が死んだ後のことなんてな。

 知らんわ。

 うん。

 あーあ。

 うん。

 何でや。

 あー。

 無茶な。

 うん。

 うん。

 はあ。

 そうですか。

 あのさ。

 帰ってくれない?

 うん。

 1人で考えたいんだよ。

 おしゃべりは嫌いだ。

 あー。

 うーん。


 +


 うーん。

 はあ。

 いやー。

 ふーん。

 はあ。

 あー。

 そうだねえ。

 和食の作り方かあ。

 知らねえな。

 肉買って来て焼くだけ。

 焼き魚? 別に。

 ちょっと口に合わなくなって来た。

 嫌。切り身とは言え、魚に触るの。

 はあ。

 はあ。

 はー。

 いやー。

 うーん。

 はあ。

 買えるし。

 うん。作ってどうするの。

 あー。

 料理か。

 それセクハラだよ?

 女なら料理が出来るって。

 ふーん。

 あー。

 いやー。

 本か。

 いや。

 私たちグループは、水無月硯と岬先輩の寺子屋遊戯を知ってるからな。

 あー。

 嫌なんだよな。恥晒すの。

「あの」寺子屋遊戯以上の物なんて書けないんだよ。

 アレな。

 うん。

 何であんなにネタが続くんだろう。

 ガリバー旅行記、読んじゃったよ。

 不思議の国のアリスの詩は、あっちが正解だと思うんだなあ。

 うん。

 あー。

 どうせならフェルマーの最終定理に挑戦して欲しいね。

 いや、書道部だったんだけど。あの人。

 鶴賀部長ですら鬱病にされたんだ。


 +


 はー。

 あー。

 いやー。

 そうですか。

 最高の作品を書きたいですか。

 うーん。

 はあ。

 うーん。

 アウト!

 駄目です。

 今の時代最高の物を書きたいなら別によろしい。

 だけど、後輩に追い越されることは覚悟するべきです。

 後輩たちのお手本になりたい。

 うん。

 これでないと駄目。

 人間として。

 うーん。

 はあ。

 うーん。

 うん。

 あー。

 どうしましょうね。

 困ったね。噛み合わない。


 +


 あー。

 うーん?

 うむ。

 あー。

 いや。

 変なこと言ってるかな。私。

 ずれてる。

 うん。

 作家も漫画家もフリーランスだ。

 うん。

 後輩を育てる? はあ?

 管理職なんてないのに?

 うん。

 フリーランスに人望なんか要らないんだよな。

 腕一本。

 うん。

 あー。

 何。

 はあ。

 いや、別に。

 アマチュアは好きにやっててくださいな。

 あー。

 アマチュア創作の資料は一杯ある時代だな。

 うーん。

 これで一儲け出来ないかな。


 +


 あー。

 そうね。

 麻雀漫画では、お約束だった。

 低レートの内は素直に打てるけど。

 レートアップした途端にパニックになってボロボロ。

 お金失って死亡。

 うん。お約束だった。

 プロになるって、そういうことなのかな。

 まずメンタルか。ふむ。

 あー。

 小説家なんかやってる奴は、違う人種としか思えないな。

 うん。

 あー。

 逆説的に「人間を書く」のは不可能なのかな。

 あー。いや。違う。

 何て言えばいいんだ。

「自分」を書いても「人間」にならないような気がするんだよね。

 うん。

 ただ、「人間観察記」は書ける。

 先生ではないな。

 学者なんだと思う。

 人間学者なんだよね。

 物書きの人生はフィールドワークのためにあるんだよ。

 人付き合い?

 これは「対等」ではない。

 観察のためにある。

 どうなんだろうね。

 あー。


 +


 うーん。

 人間かあ。

 あー。別に。

 うん。

 それよりプレキュアになりたいね。

 私も女の子なんだよ。

 おい。

 ツッコめ。

 ここは笑う所だ。

 ったく。

 空気読めないな。お前。


 +


 はあ。

 うーん。

 いやー。

 ふん。

 はあ。

 いやー。

 はあ。

 あー。

 仲間とは切れちゃったなあ。

 あー。連絡取ってないってだけ。

 ニュースなんてないし。

 世は平穏。

 元帥、自殺したらしいね。当たり前だ。


 +


 うーん。

 あー。

 うーん。

 うん。

 人は敵がいないと団結しない。

 これは真理だと思う。

 だから、このテンプレヒロインたち。

 知ってるんだろうな。

 あー。

 魔王がいるんだと思う。この世界。

 うーん。

 いやー。

 この最初に出て来た神様では?

 うん。

 悪役だと思う。

 あー。

 ヒロインたち、主人公の目の前でえっちなことされると思うよ。この神様に。

 うん。

 私なら、そういう展開にするけど。

 それしかない。

 うん。

 ガチに、それしかない。

 神様が敵だった。

 うん。

 うん。

 いやー。

 東洋思想だなあ。

 あー。

 うん。

 神様って「自由」をくれる人ではないんだけどね。

 あー。

 うん。

 このチート無双、悪魔との契約だろう。どう見ても。

 中世かよ。

 キャベツが、こんなに高価な世界は嫌だ。

 アイスクリーム食べたい。

 酒なんか要らない。

 白たい焼き食べたい。

 要らない。エールなんて。

 嫌だよ。パブってイギリスの文化なんだよ。

 ファンタジーの原典は指輪物語だよ。

 あの飯が不味いことで有名なイギリスだよ。

 嫌。

 私、中世世界には行きたくない。

 うん。

 イギリスなんだよ。

 大陸ではないんだよ。

 うん。

 同じ島国同士だからウケてるっぽいな。

 中国韓国でファンタジーが流行ってるって話は聞かないだろう。

 自国文化に誇りがあるんだよ。

 日本人だけだ。

 イギリス文化をリスペクトしてるのは。


 +


 うん。

 ナーロッパの食事は、どう見てもフランスなんだよな。

 あー。

 日本を開国させたのはアメリカだしな。

 これ実質イギリス。

 日本はイギリスシンパなんだ。

 あー。

 うーん。困った。

 ネットではブリカスとか呼ばれてるんだけど。

 あーあ。

 お前らの大好きなナーロッパってイギリスだよ。

 ヤバいな。

 指輪物語も飯が不味そうなんだよな。

 ホビットもドワーフもエルフもイギリス人か。

 エルフって貴族の暗喩か。

 どうしような。


 +


 うーん。

 原典を当たれ。

 これな。

 調べ物では鉄則。

 うん。

 うーん。

 はあ。

 うーん。

 いやー。

 もうしゃべることないね?

 帰ってくれない。

 私、日常に戻りたいんだよ。

 あー。

 ないけどね。何も。

 うん。

 かと言ってな。

 わなびは権力者ではないから、いじめてもしょうがないんだよ。

 あー。

 そうだ。

 この履歴書の空白を訊かれた場合、「小説書いてました」と言っても不採用だよ。

 デビュー決まったら会社辞めます宣言だから。

 腰かけ腰かけ。

 企業は馬鹿じゃねえ。

 うーん。

 いやー。何と言うかね。

 小説投稿サイトは偉大だね。

 俺は、いつかビッグになる!

 こう言ってる連中の頭の中身が、この程度だとデータ出しちゃった。

 あー。

 やっぱりサラリーマンは偉いね。

 本当に偉いよ。

 うん。

 わなびか。

 コイツらな。

 一生アマチュアやってろ。

 可愛げあるよ。それならね。


 +


 うーん。

 はあ。

 精一杯やって、これですか。

 失笑物だな。

 あー。

 失笑って言葉知ってるかい? 小説家志望くん。

 うん。

 あー。

 古典読めって言ってるのは、これなんだけど。

 沙翁な。

 これシェイクスピアのこと。

 あー。

 私のおすすめは学問のすすめだ。

 と言ってもネットにあるのか。

 困ったな。

 原典に当たるモチベーションが低いのか。インターネット世代。

 ふーん。

 あー。

 どんな名著も、あらすじあるんだよな。ネットに。

 うん。

 おー。

 あー。うん。

 つまり今のわなびたちは「あらすじ小説」しか書けないのでは? という疑惑が浮上しました。

 ふむ。

 あらすじ小説って何だ。

 いやー。

 うーん。

 まあ、何と言うか。

 うーん。

 あー。

 そうなんだよな。

 お約束を知ってると略しちゃうんだよね。

 うん。

 つまり省略の多い物語はパクリだってことだ。

 うん。

 私は警察か。


 +


 うーん。

 どうしような。

 ふん。

 あー。

 うーん。

 あー。

 いやー。お約束か。

 うーん。

 何を言えばいいの? ねえ。

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