第30話 秘策

 「ブハッ!殺される覚悟はあるか?このクソ女!」


 ブデは大きく手をブンブン振り回しながらアルネネに言った。


 「あ?クソデブ男に言われなくはないね」


 アルネネは、キッパリ否定し、言い返した。


 「じゃあ、いくぜ」


 アルネネは四つ這いになり魔力を解放する。


 「ブハッ!なかなかの魔力量だな」

 「魔力量だけじゃねーよ!」


 アルネネはブデに突撃する。


 ブデは反応できない。


 アルネネの拳がブデの腹部にヒットする。


 「グッ!ハッ………クソ!」


 ブデは反撃に拳を振るうがアルネネは余裕でかわし、空をきる。


 「遅いなぁ…おデブさん?」


 アルネネは挑発する。


 「ブハッ!クソ!これでもくらえ!」


 ブデはアルネネに突進する。


 「ブハッ!俺の体で吹っ飛べ!」


 だが、ブデの突進をアルネネは片手で止める。


 「グッギィ…な…なんだと!」

 「デブのくせに軽いな?中身はスカスカなのか?」


 アルネネは後ろに回転し、回し蹴りをブデにお見舞いした。


 「オラッ!」

 「グゥ!!!」


 ブデは、バランスボールのように後ろに転がり飛んだ。


 「おいおい、この程度かよ…つまんねぇな!」


 アルネネは首をポキポキ鳴らしながらゆっくりとブデに近づく。


 「ブハッ!調子にのるのもここまでだそ!」


 ブデはそう言うと服を破き、上半身を曝け出した。


 「あ?そのダイナマイトボディを無様に出してどーすんだよ?」

 「ブハッ!見ていろ!」


 ブデの体からなにか液体が溢れ出す。


 それ液体はブデて体全体を覆い尽くした。


 「はぁ?なんだその気持ちわりー液体は?」

 「ブハッ!まあ、そのうちわかるさ!」

 「じゃあもう一発殴らせてもらうぜ!」


 アルネネは一瞬でブデとの間合いつめ、腹部へ拳を振るう…が、謎液体のせいで拳が滑り、アルネネはバランスを崩す。

 

 「あ?」

 「ブハッ!チャンス!」


 ブデはアルネネの顔面頬に拳を振るった。


 アルネネは殴り飛ばされ倒れた。


 「クソ…なんてパワーだ…」


 格闘技には必ず階級がある。


 それは勝負を公平にするためだ。


 体重が重いと当然パンチなども強くなる。


 そして、体重に差があるほどそれが明確になる。


 ブデとアルネネの体重差は150キロ以上だった。


 「ブハッ!どうだ!効くだろう!」

 「チッ!クソがぁ!」


 アルネネはブデに蹴りを入れるがまたもやブデの体に纏っている液体によって滑ってしまう。


 「ブハッ!はいもう一発!」


 またもやブデはアルネネの顔面に拳を振るった。


 アルネネは殴られ…後ろへ後退する。


 クソ…あの液体のせいで攻撃が通らねぇ…


 アルネネはそう思った。


 「ブハッ!無駄なんだよ!お前の攻撃は効かない!そして俺の攻撃は効く!もうお前は終わりだよ!」


 ブデが叫ぶ。


 「ブハッ!さっき俺に言った無礼を詫びるならば、お前を俺のペットして飼ってもいいぞ?」

 「ふざけんなよ!誰がなるか!」


 アルネネは叫びながらブデに拳を振るうが結果は同く…拳は滑り、ブデに殴られる。


 「ブハッ!無駄だってわからないのか!お前の攻撃は全て滑り流す!諦めろ!」


 「はぁ、これだけは使いたくなかったな」


 アルネネはボソッと呟く。


 そしてブデに突撃し、拳を振おうとした…


 「ブハッ!頭が悪いな!」


 ブデは受け流そうとした。


 が…ブデの腹部は切り裂かれた。


 「え?グッ…なんだと…」


 ブデの腹部から血が吹き出す。


 アルネネの爪は鋭く尖っていた。


 それでブデの腹部を切り裂いたのだ。


 「本当はこれは使いなくないんだよ…」


 アルネネは血がついた爪を舐める。


 「返り血で汚れるから」


 ブデ対アルネネはアルネネの勝利





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キャラクター紹介

ブデ

ゾルデニックの幹部である。その大きな体と体重を活かして戦う。秘策として体から特殊な液を纏うことができ、相手の攻撃を受け流すが、剣などの切れ味の良いものは受け流せない。


話終歌

絶対に後悔させてやる

ブデ






 









 

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