第27話 僕の名前は…

 「隊長…あなたは軍の隊長なんですか?」


 僕はパドレと名乗る男に聞いた。


 「そそ。僕は元軍隊長」


 パドレは頭を掻きながら言った。


 「なぜ、元隊長でありながらあなたが魔人の村に居座っているんですか?」


 僕は失礼ともいえる質問をしてしまったかもしれない。


 だが、直接聞いた方がいいだろう。


 聞かずにはいられなかった。


 一刻も早く疑問を晴らしたいのだ。


 「君は質問ばっかだね…。少しは自分のことを話してから人のことを聞いた方がいいじゃないかな?」


 パドレにそう言われて僕はハッとなった。


 たしかに僕は一方的になりすぎてしまったようだ。


 「とわいえこの場では話しずらいってこともあるだろう。一旦僕の家で話そうか」


 そう言ってパドレは歩き出した。


 「お、おい…こいつを信用していいのか?」


 村の人が僕を信用してないと感じる。


 「大丈夫…なんかあれば僕がやるから…ほら、着いてきなよ」


 パドレはそう言って僕に手招きした。


 その言葉はいつでも君なんか殺せると言っているのと同じだ。


 安心してよ、僕は何もしません。てか、あんなん見せられた何もできません。


 僕はパドレについて行く。


 パドレは家へと案内してくれた。


 「まあ、一応…僕の家」


 パドレの家は村の1番端に建っていた。


 「お邪魔します」


 中は1人く暮らしにちょうどいい広さだった。


 小さなテーブル、薪ストーブ的なやつ、簡易的なきたキッチンの用のものもちゃんと設備されていた。


 「座りなよ…」


 パドレは僕に椅子を出してくれた。


 「ありがとうございます」


 僕は言われるとうり座った。


 「それで君は本当はなんなんだい?軍の兵とかではないんだろう?」

 「その…僕は…」


 僕は迷った。


 本当のことを言ったところで信じてもらえるはずもない。


 だが嘘ついたら一瞬で見抜かれそうな気がするし…


 「実は僕は気がついたらこの場所いたんです…そして何もかもわからずに走っていたらあの村を見つけて…」


 半分ぐらいは嘘だが…半分は本当だ。


 これが僕が考えられるベストアンサーだった。


 「ふーん…なぜか魔人のエリアにいたってことか…それは災難だったね。そういえば名前を聞いてなかったね。君の名前は?」


 なんとか少しは信じてもらえたようだ。

 

 パドレは僕に名前を聞いてきた。


 「僕はデ…」


 あっ、デーモンっていっちゃまずいな。


 一応、魔王だしいくら知名度が無いからと言っても万が一がある。


 そして僕は、今デーモンの姿ではない。僕(人間)の姿だし。


 そういえば、この姿の名前を決めてなかった。


 これを期に決めよう。


 そうだな…。


 カッコいい名前…カッコいい名前。


 ゼウス…ブラック…ライト…ブリザード…エクスカリバー…ゴッド…ドラゴン…違うな。


 あっ…閃いた。


 僕が思う最高にカッコよくて、イカした名前。


 「僕の名前は、ナイト・メアといいます」


 よし、今から僕はナイト・メアとして生きていこう。


 


キャラクター紹介

ナイト・メア(如月影斗)

デーモンの姿は異なり、人間の姿のもの。デーモンの魔人姿と人間(影斗)の姿に自在に変えることができる。主に剣術を得意としたスタイル。デーモンの姿と比べ、魔力量は変わらないが防御力は劣る。しかし圧倒的なスピードと微細な魔力の調節が可能。


 話終歌

理想は最強

空想は異次元

妄想は超人

想像は天上天下唯我独尊

ナイト・メア

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