第18話 大魔王参戦

 「だ…大魔王ギザラン……!」


 シララギが目を見開き焦りながら宙を見て言った。

 

 「ギザラン……まさか大魔王が出てくるとはな…」


 アルスがギザランを睨みながら言った。


 「この防御魔法は、ギザラン様の…私を守ってくれた…」


 ネインは倒れたまま言った。


 「ギザラン!何しにきやがった!」


 アゼンは怒りながらギザランに叫んだ。


 「全く、勝手な行動をしたやつらを助けにきたんだ…それなのにワシはそんな言われ方をするのか…」


 ギザランはため息を吐きながら言った。


 「うるせぇ!テメーはいつも行動が遅いんだよ!カッコつけてんじゃねぇ!」

 「フッ、それだけ叫ぶ元気があればそこまで重傷ではないな」


 ギザランは少し微笑みながら言った。


 「お喋りはもういいか?」


 アルスは剣を構えてギザランに言った。


 その剣からは凄まじい炎が燃え盛っていた。


 「悪いが、今は貴様に構っている暇はない。火炎の勇者よ……」


 そう言って、ギザランは手を前に出す。


 「な、なんだ?この光は?」


 僕達は紫色の光に包まれた。


 「また、近いうちに相手をしてやる。火炎の勇者…」

 「逃すか!」


 アルスがギザランに斬りかかるが、遅かった。斬りかかったときにはもうギザラン含めその者たちの姿は消えていた。


 「逃げられたか……」


 無惨にも争いにより倒れた兵士たちだけがその場に残った。


 



 気がついたら大魔王ギザランの城の目の前へと移動していた。


 周りにはネインを始め皆んなちゃんといた。


 さっきまでエリア148にいたはずなのに…


 僕は紫色の光に包まれて、気がついたら瞬間移動していたのだ…。


 ギザランの魔法?によってエリア148からギサランの城まで瞬間移動してきたのだ。


 「全く、貴様らの勝手な行動のおかげで疲れた」


 ギザランはそこら辺の大きな岩に腰を置いて言った。


 「私達をあの場所から魔法でここまで移動させてくださったのですね」


 ネインはギザランを見上げながら言った。


 「ああ、間一髪だったな」


 ギザランは微笑みながら言う。

 

 「何で逃げた?何で勇者と戦わなかった?ふざけんなよ!」


 アゼンはギザランに叫ぶ。


 「ワシは最善を考えて行動したまでだ。あのまま火炎の勇者と戦っていれば、いずれ増援がやってくる。そうなれば貴様らを助けることは難しい。だからこの選択をしたまでだ。そもそも勝手に人間のエリアに突っ走って行ったのは貴様だろ。ワシやデーモン君が加勢しなければ貴様らとっくに全滅されてただろう?」


 ギザランはアゼンの瞳を真っ直ぐ見ながら言った。


 「俺は、ただラコンの仇をとりたかった……だけなんだ!」

 「それで貴様が死んでは、ラコンにとってもどうだ?」

 「クッ……クソ!」

 「貴様は無断で敵のエリアへ攻撃し、部下全員を全滅させてしまった。この行いは魔王としてあってはならん。よって貴様を魔王堕ちとする。貴様は今から魔王ではない、ただの魔人だ。もう一度兵からでもやり直すがいい」

 「………クソ!クソ!クソ!」


 アゼンは目に涙を浮かべながら悔しがった。


 「デーモン君を始めとする諸君。アゼンを助けてくれてありがとう。君達が加勢しなければアゼンは今この場にいない」


 ギザランは僕達に敬意を込めて言った。 


 「こちらこそ、助けていただきありがとうございます」


 僕はお礼をギザランに言った。


 「ご苦労だった。さあ、しばらくは休め。あとは他の魔王たちが人間のエリアを攻撃する。君達は支持があるまで安静にしてなさい」


 ギザランは僕達に労いの言葉を言った。


 「次はどのエリアを攻撃するんですか?」

 「そうだな、まずはエリア200辺りの王国から攻撃を仕掛けようと思う。まあ、詳しいことは連絡鳩で全魔王に知らせるさ」

 「わかりました」

 「わしの城のある山を降りた先に魔人のエリア1番の国がある。そこの治癒所で回復薬など、もらってかと行くといい。わしが連絡をしておくから、それで回復をしてくれ」

  

 ギザランは親切に僕達に無償で回復薬を提供してくれるという。


 「では。また。」


 僕達はギザランの城をあとにした。



キャラクター紹介

コメコ

魔王デーモンの部下でありNo.011。お米とお餅が大好き。やんねなどの特徴的な喋り方をする。戦闘時には餅で闘う。


 話終歌

なんやねん。

ぐたらないことばっか考えんとき。

餅でも食えばええやんね。

コメコ


 


 


 


 


 


 

 

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