第3話捜査会議

「被害者は鈴木健次郎、男性、67歳、血液型B+。現場に残された血液型と一致。もと金融業勤務。過去に闇金の取り立てなどにかかわっていた経歴あり。被害者に恨みを持っていた人物について、現在調査中。以上です。」


岡村主任が立ち上がり、報告をはじめた。


「事件の目撃者は二人。一人は隣の窓から、殺人を目撃。ただし、被害者が切られ血が出た瞬間を目撃したが、加害者も武器も見えなかったとの事。透明人間に透明な武器で切られたようだったと証言。」


大石刑事が目撃証言を報告。


「もう一人は、犬の散歩中、被害者宅の玄関が開き、数秒後に門扉が開いたのを目撃したが誰も出てこなく、犬が異様に吠えたてた様子から、門からみえない物が右側に逃げて行ったようだったと証言。以上。」


三上刑事が鑑識報告と現状報告をした。


「鑑識によると、血痕はB+の被害者のもののみ。わずかながら妖気の残滓をケルベロスが追ったが、数キロ後に徒歩から乗車に変更した模様。警察犬がその自動車の足取りを追ったが、現在手掛かりなし。」


捜査会議には人怪捜査二課のメンバーと鑑識が参加していた。


「うわー!捜査会議なんてビンビンきますね。」


「舞い上がるな、大畑。ちゃんと聞いて、メモっておけ。」


テンションが上がって浮足立つ大畑の手綱をケルは既にしっかり握っているようだ。


その姿を見てた岡村主任は苦い顔をしている。


「暑苦しいのが入ってきたもんだ。」


岡村の横には、巨乳で色っぽい妙齢の女性が座っていた。


三上の隣には背と鼻の高い浅黒い精悍な顔をした男性が、尾崎課長の机には黒っぽい亀が、豊田という50代くらいの女性の机には赤っぽいすずめ(ナキイスカ)が、筋肉質の青年、大石の隣には美しい女性が、すばしこい吉川の横にはシーサーが座っていた。


「死体が無かった意味について考えられるのは次の通り。

1.移動された。

2.犯人の妖怪が食べた。

ですが、この件につき意見がないかな?」


尾崎課長が一同を見渡しながら、挙手を促した。


「 犯行の手口である目に見えず、人を傷つける妖怪には鎌鼬が該当しますが、鎌鼬は人間を食しません。」


尾崎課長の机の黒っぽい亀が、発言した。


「物隠しという妖怪がいます。死体を物と考え隠したと考えられます。また、隠し神が隠したのなら、死体ではなく生きた状態で隠します。」


三上の隣の精悍な顔立ちの男が言いきった。


「では、被害者を死傷させたのは鎌鼬で確定。物隠しであれば何処かに死体が隠してあるはず。鎌鼬、隠し神、物隠しの行方を追っって取り調べを行う。以上。」


尾崎課長がまとめて、今後の方針を決めた。


無事に捜査会議は終了。


当直の刑事以外、家に帰れる事になった。



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