第4話

「…なぁ、やっぱり幽霊っていないんだろうか。」

急に瀬良が切り出す。

「う~ん、どうだろう。でも、」

神崎は瀬良の方に向き直る。

「肝試しや怪談がある限り、幽霊はいるんじゃないかな。人間はなんでもできると思うよ。幽霊だって作れるはず。」

「そうなのか…でもさ、考えたらロマンがあるよなぁ。」

「確かに、…いや」

楽しく談笑している二人の前には、既に危機が迫っていた。

「…前言撤回。やっぱり、幽霊はいると思うわ。」

「うん…」

二人の目の前には、白いワンピースの女がいた。

だが、包丁を右手に握り、ワンピースにはところどころに赤いしみがあった。

「…ねぇ、見えてる?あれ」

「あぁ、見えてる。霊感ないのにばっちり…」

「じゃあ、かなり力が強い霊だね…」

「…あれは?本当は人間だったりしない?」

「…しないよね…」

「コロス…」

二人が話している間も、それは淡々と迫ってきていた。


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