009


一ヶ月後__


タウンのアイテムショップでサアキスは久遠と久しぶりに顔を合わした。


「久遠さん、久しぶりです」


「そうね。半月くらい?」


「そうですね」


「それで、後ろの子は?」


久遠はサアキスの背後に隠れている黒薔薇姫を刺した。


「最近コンビを組んでる人です。名前は黒薔薇姫」


黒薔薇姫はサアキスの背後から隣に移動すると会釈した。


「初めまして私は黒薔薇姫です」


「初めまして、久遠です」


「今日はライトさんと一緒では?」


「待ち合わせしてるところ、貴方達ギルドには入らないの?この先の攻略は厳しいよ」


「ピンとくるギルドがなくて、それで久遠さんに相談したかったんです」


「相談?」


「久遠さん一緒にギルド作りませんか?」


「え?」


「俺もそのギルド入らせて貰おう」


突然、ライトが話に入って来た。


「待ち合わせじゃ?」


「アイテム補充で立ち寄ったらお前らがいた。そしたら面白い話してるじゃないか」


「ギルマスは久遠さんで決まりですよね」


サアキスが話を進めていく。


「なら俺が副団長やる」


ライトが話題に乗ってくる。


「なんかギルド作る事に成っちゃいました」


黒薔薇姫が独り言のように呟く。


「これはこれで構わない。楽しそう」


久遠は楽しそうに話すサアキスとライトの姿を見つめる。


「久遠!ギルド名は何が言い?」


ライトの言葉にサアキスは提案した。


「何かカッコいい名前がいいですよね?」


久遠は腕を組み首を傾げ考えるポーズ。


「 『ギルド名はギルド設立時にギルド本部に提出する名前である』って事はギルドの顔ですよね」


黒薔薇姫はマニュアルを読み上げ説明。

しばらく考えていた久遠がゆっくりと口を開いた。


「ギルドの顔、なら〈絶対の刀身アルヴァンヘルム〉とかは?」


「それって幻の刀の名前!」


ライトが呟くと黒薔薇姫が問う。


「幻の刀?」


「あるかどうかも解らないネットで噂になってる最強の武器の名前。それが〈絶対の刀身アルヴァンヘルム〉」


サアキスが最強の武器に反応。


「最強っ、それなら〈絶対の刀身アルヴァンヘルム〉を捜すしかないでしょ!」

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