籠の中の鳥は、いつでも翔び立てる
BB ミ・ラ・イ
序章
これは、親友の証言から得た玲子(仮)の話です。
ある日の昼時、私と玲子は喫茶店にいた。
親友の玲子とは、週末の休みに玲子の娘と三人で、買い物や食事、旅行へも行ったりするくらいの仲だった。
そんな玲子から連絡があり、「親友の雅美(仮)だから、話しておきたいことがあるの」と言われ、いつもの喫茶店で待ち合わせをすることになった。
いつもであれば、玲子は娘を連れて来ていたが、この日は玲子だけだった。
「あれ、由真(仮)ちゃんは?」
私がそう聞くと、「近くに住んでいる母親に預かってもらったの」と言った。
そんなに深刻な話なのかと思い、私は真剣に聞く姿勢を見せ、
一口のコーヒーを飲んだ。
玲子と初めて会ったのは、私の勤めている出版社に中途で採用され、私が彼女の指導係となった頃だった。新入社員の挨拶では声が小さく震え、暗い印象だった。その為、あまり人との関わりを好まない人なのかなと思ったが、指導係として接していくうちに私の勘違いだと気づいた。
彼女は、よく笑い、よく食べ、よく話す。
最初だったから緊張していたんだと思い、私も玲子と仕事をしていて楽しかった。
玲子は、真面目で仕事も出来た。
そんな玲子から壮絶な過去を聞いたのだった。
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